テーマ:好きなクラシック(2327)
カテゴリ:オペラなど、クラシック音楽
またまたオペラネタです。今日はベストセラーになった「ダヴィンチ・コード」と絡ませた話です。
ダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチコード」 私たちはダ・ビンチに代表されるルネッサンスの宗教画とか、教会などの建造物とか、小説とか、 中世以降の西洋文化はキリスト教の信仰が根底にあるのだろう思いがちです。 「ダヴィンチコード」によると、むしろアンチ・カトリックの精神が根底にあるというのです。 ダビンチの代表作「モナリザ」、「最後の晩餐」「岩窟の聖母」などは神を冒涜している作品だし、 その流れはなんと、ディズニーの映画にまでおよぶ、という解釈は面白いです。 この小説をそのままうのみにすることは慎重でなければと思いますが、いままでキリスト教賛美だと 思っていた西洋文化をアンチ・キリストの面みてみると、さまざまな謎が解けるかもしれないです。 先日、ポンキエッリの歌劇「ジョコンダ」がNHKハイヴィジョンでやっていました。 「ジョコンダ」は、合唱も重奏もアリア充実し、有名な「時の踊り」のバレエもあったりして、 音楽的には非常にスケールが大きい名作だと思うのですが、ストーリーは実に実に後味が悪いです。 まず、主役のジョコンダが、自分を犠牲にして自殺までしたのに、好きだったエンツオは恋敵の ラウラと結ばれるわ、お母さんは殺されてしまうわで悲惨すぎます。 そもそもジョコンダのお母さんは祈祷師?だったんでしょうか、悪役であるバルナバに言いがかりを つけられて魔女呼ばりわれ、リンチされそうになるのはいくらなんでもあんまり。 ラウラがバルナバと逢引をしたからといって、毒を飲んで死ね、という夫もあまりにも暴君。 ジョコンダが歌う有名なアリア「自殺」ってのもすごい題名ですよね、出だしがいきなり「自殺!」 ですもん。 こうみると、魔女狩り、不倫、自殺という、カトリックではタブーな場面がてんこ盛り、極めつけは 主人公「ジョコンダ」の名前です。 ジョコンダって、ダヴィンチの「モナリザ」のモデルになった夫人の名前です。「ダヴィンチコード」 そ読めばお分かりですが、「モナリザ」はアンチカトリックである、聖杯伝説を基にした、女神崇拝の 権化であるような作品です。 それはイタリアにはよくある名前で単なる偶然なんじゃない?って思うかもしれませんが、 実は「ジョコンダ」の原作者のヴィクトル・ユーゴーは「ダヴィンチ・コード」によれば、アンチ・ カトリックである「シオン修道会」の歴代総長であり、同じく先代の総長であったダヴィンチ の代表作を意識しなかったわけはないと思います。 シオン修道会が実在したかははっきりとわからないようですが、少なくともダヴィンチやユーゴーが アンチ・カトリックであったことは間違いないようです。 もうひとつ、プッチーニの「トスカ」。 そもそもトスカは、ガラヴァトッシに会うために教会にきた時も「まず聖母さまにお祈りを しなければ」といっていたり、有名な「歌に生き、恋に生き」でも自分は神様のためにすべてを 捧げてきたと歌い上げています。 そのような敬虔なカトリック信者であることを強調しているのに、スカルピアをナイフで刺し 殺してしまうし、最後は本人が投身自殺してしまう。 また、第一幕の最後に歌われる、「テ・デウム」では、スカルピアは神様への感謝を捧げる合唱を 横目に見ながらトスカへの欲望をつぶやいています。 それからスカルピアを殺害したあとにトスカが十字架をスカルピアの上にポン、と置く場面。 これらはまさに神への冒涜としか映るらないのですが・・ こういう視点からみると、「カヴァレリア・ルスティカーナ」や「道化師」も復活祭や聖母被昇天祭 の日に、不倫がらみでの殺人が起きてしまうと言う点で、カトリックに対する皮肉がこめられて いるような気がしてなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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