カテゴリ:読書
とても考えさせられる内容だった。 多くの日本人は、地価が上がり続けるという土地神話が存在した頃はもとより、自宅を構えてこそ一人前という縄張り意識に根差した現在の不動産過多のポートフォリオを選択していると解説している。 つまり、結婚してマイホーム(一軒家・マンション)を保有するということは、資産の大半を不動産につぎ込むという選択であり、預貯金や保険、投資信託や株式などの金融商品とのアンバランスが明確ということだ。 しかも、住宅ローンというレバレッジを使うのが一般的になっている。 住宅購入の際の頭金に比べて、通常5~6倍の借金をする。 これに比べて、株式の信用取引は最大でも3倍程度。 言い換えれば、不動産購入者の大半は不動産の「信用取引」を株式以上のレバレッジをかけて行っているわけだ。 その担保は、終身雇用と「震災に遭遇しない」ことを前提としている。 東日本大震災ではこの危うさが露呈した。 震災大国の日本では、明日、雇用と不動産価値を失う可能性がある。 もちろん、国が被災者の生活を援助してはくれるだろうが、それにも限界がある。 自分は、資産の大半が金融資産だが、これも日本という一国に集中投資している。 この本を読むと、その危うさも気づかせてくれる。 理想は海外の金融機関にドル・ユーロ資産を保有することで、それによって、日本の財政破綻時に生き延びることができるとのこと。 一部の富裕層が海外に資金を分散移動している意味がよくわかる一冊であった。
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最終更新日
2018年01月08日 09時20分40秒
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