WBC初戦に唸る。
昨夜の中国戦は大量得点を誰もが予想していただけに重苦しい展開になった。日本チームの中でも役者が一枚上手のはずのイチローの不振にその原因を見るのは誰もが同じだろう。だが彼を責められない。日本中の野球ファンの視線を集めているそのプレッシャーたるや、想像を絶するものに違いない。彼がチームにいるから、プレッシャーが半減している選手は多いはず。 試合は4-0ながら、辛くも勝った・・・という印象だが、その中でも福留の存在が光っていた。昨夜は一本のヒットも打たなかったにもかかわらず、全打席出塁した。すべて四球を選んだためだが、その選球眼は球界一とは云えないか?全ての打席で一塁へ立てるというのは、言い換えるなら彼は目でヒットを打つのだ。難しいコースはファウルにする。きわどいところは全てファウルにされるので、ピッチャー泣かせといえるだろう。 イチローがバットでヒットを打つのに対して、福留は目でヒットを打つ。イチローといえども不振は避けられないので、福留の「確実性」はとても心が引かれる。投資家的目線で言えば、後者の方が価値は大きい。もちろん、イチローの華やかさは次の試合でも期待したいが、福留の確実性にもまた期待したいと思うのだ。