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カテゴリ:大好きな人
悲報を伝える車内アナウンスが流れる電車。
足止めにいらつく人々の中、 私は悔しくてしょうがない。 たった今消えた命に祈りを届けるくらいの良心、 ホンマはみんな持ってるやろ。 あまりに辛くて、 その感情をマヒさせるのが精一杯なんやよね。 だけど、私は痛みに鈍感になりたくないんだわ。 口からこぼれでてきたアメージング・グレイス。 静かなこのメロディにのせて、 哀しすぎて泣けない人の分、 うちがいっぱい泣いちゃる。 隣で握っていた大好きな人の手に、 ふと力がこもった。 顔を見上げると、 彼も静かに泣いていた。 見も知らない人の痛みに、 2人して鼻を赤らめるバカップル。 たった今肉体から離れたあの人の霊も、 ちっとは笑って浮かばれるだろうか。 空は馬鹿みたいに青くて、 頬に当たる風が悲しいほど優しくて。 あの人がもう触ることのできない 愛しい人の温もりを、 わたしがあなたの代わりに 細胞全部で感じるけんね。 愛しい 愛しい 愛しい人よ。 横の座席では、赤ちゃんが笑ってる。 見知らぬ人々が微笑みかけ 彼女を中心に繋がりあっている。 運転の再開を待つ電車の中の、 ホントにあった二つの光景。 あぁ… 世界はなんて 悲しくて愛しいのか。 駅前にある花屋さんに、 2人同時に「寄ってこか」って。 真っ白な花を一束。 1日に80人。 日本の自殺者の数。 私は絶対にこの現状を許さない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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