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カテゴリ:読書案内「啄木・白秋・晶子 あたり」
北原白秋「五十音」・西條八十「金糸雀」 北原白秋の童謡が気にかかって調べていて、こんなのを見つけました。ご存知でしたか。 「五十音」 北原白秋 漢字表記が読めない人も多いでしょうね。クイズにしたいようなものですが答えを書きます。 水馬(あめんぼ)・ 浮藻(うきも)・小蝦(こえび)・啄木鳥(きつつき)・大角豆(ささげ)・喇叭(らっぱ)・蛞蝓(なめくじ)・納戸(なんど)・日向(ひなた)・蝸牛(まいまい)・螺旋巻(ねじまき)・灯(ひ)・蓮花(れんげ)・瑠璃(るり)・井戸換へ(ゐどがへ) 全部かな書きにしてみると下のようになります。皆さん声に出して読んでみてください。今でも小学校では読まれているのでしょうか。 あめんぼあかいな。ア、イ、ウ、エ、オ。 うきもにこえびもおよいでる。
かきのき、くりのき。カ、キ、ク、ケ、コ。 きつつき、こつこつ、かれけやき。 ささげにすをかけ、サ、シ、ス、セ、ソ。 そのうお、あさせでさしました。 たちましょらっぱで、タ、チ、ツ、テ、ト。 トテトテタッタととびたった。 なめくじのろのろ、ナニヌネノ。 なんどにぬめってなにねばる。 はとぽっぽ、ほろほろ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。 ひなたのおへやにゃ、ふえをふく。 まいまい、ねじまき、マ、ミ、ム、メ、モ。 うめのみおちても、みもしまい。 やきぐり、ゆでぐり、 ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。 やまだにひのつく、よいのいえ。 らいちゃうはさむかろ、ラ、リ、ル、レ、ロ。 れんげがさいたら、るりのとり。 わい、わい、わっしょい。ワヰウヱヲ。 うゑきや、ゐどがへ、おまつりだ。 なんか、いいでしょ。ぼくが思い出によっかかる年齢だからじゃなくて、音の響きが、まずいい。こういうのを見るとまたすぐ「美しい日本」とか言い出す人がいるのでかないませんが、ここで使われている言葉、語彙も素晴らしいですよね。 話は変わりますが、前回の案内で触れた「金魚」ですが、発表当時、子どもにはどうかと批判したのが西條八十。戦後は歌謡曲の作詞家として有名ですが、「青い山脈」とか「王将」ね、戦前は北原白秋・三木露風とともに、「赤い鳥」の詩人。「カナリア」は「赤い鳥」の詩の中で、童謡として曲がつけら、歌われた最初の詩だそうです。童謡は、ここから始まったというわけです。 「カナリア〈金糸雀〉」 西條八十 どうですか、「金魚」の残虐性はオブラートにくるまれてはいますが、ないわけではありませんね。イノセントな人間の中にある「残虐」なものが、ちゃんと表現されています。 トンボや蝶の羽をちぎったり、カエルを解剖と称して切り裂くような経験は、ある世代までの子供には、特に田舎で少年時代を過ごしたぼくくらいの年代の人にとっては、不思議でもなんでもない記憶です。 それが、どこかで、禁止され、「残虐」だと否定され始めたのは、つい最近のことかもしれませんね。子どもたちのありさまとして、大人から恐ろしがられる行為に変わったことの経緯と、その後の子供たちの抑圧については、もう少しキチンと考えるべきことではないでしょうかね(笑)。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.22 10:38:22
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