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山崎裕「柄本家のゴドー」元町映画館
今日は、パートの仕事に出ているチッチキ夫人と高速神戸で待ち合わせて、阪急で王子公園駅へ。水道筋、広東料理「楽々食館」で夕食。残念ながら、折からの激しい雨の中、うろつくこともむずかしい夜でしたが花隈駅にとんぼ返りして、いざ、元町映画館へ。というわけで、同伴映画鑑賞でした。お目当てのの映画はこれ、山崎裕監督の「柄本家のゴドー」。 柄本家の皆さんといえば父親の柄本明については、今さら言うまでもないわけですが、柄本佑くんは、「君の鳥は歌える」で、柄本時生くんは、つい最近の話題作「新聞記者」で拝見したばかりです。お二人とも、なかなかな演技派の俳優として「将来を嘱望されている」らしいですね(笑)。 その柄本家の兄弟二人が、父、柄本明の演出でベケットの「ゴドーを待ちながら」をやるらしく、その稽古場の実況中継映画でした。 映画は期待をはるかに上回っていました。ドキュメンタリーの焦点は、まあ、当然ですが柄本明でした。ベテランの役者であり、演出家であり、父である男が、若い役者に演技をつけている。そういう、なんというか、生活とか家族のありさまの映像を想像していました。 「ええっ?なにこれ?」 全く違うすごいものを見てしまったという印象ですね。演出席にいた柄本明が、突如、笑い出して、笑いが止まりません。なぜ笑っているのか、映像を見ているボクにはわからない。舞台の上では柄本佑君が長いセリフをしゃべっています。柄本明はまだ笑っています。 と、表情が変わって、頭を抱える。考え込む。たちあがって舞台に向かって歩きはじめる。演出家柄本明が舞台に足を載せる。もう、役者柄本明になっている。柄本佑は立ち尽くしている。ただの、貧相な素人にしか見えない身体がそこに立っている。役者の身体が歩いて近づいていく。役者の身体がエストラゴンを演じ始める。で、そこにエストラゴンがいる。 「えっ! なんなんだこれは!?」 またしても、笑いながら語り始める柄本明がいます。突如、宙をにらんで、ボソッと言いました。 「二人でしゃべってるのは、みんなエストラゴンとウラジミール。一人でしゃべってるのはハムレットだな。」 「あわ、あわ、あわ、なに?なに?なに?」 これが見られただけで十分でした。この言葉が聞けただけで十分でした。いろんなことが、何にも分からないのですが、腑に落ちて行きました。背中がゾクゾクしました。 「あの息子二人は幸せや、そういうたらええんかなあ?」演出 山崎裕 構成 五十嵐久美子 プロデューサー 橋本佳子 山崎裕 撮影 山崎裕 キャスト 柄本明 柄本佑 柄本時生 2017年 日本 64分 2019・07・19・元町映画館no13 追記2020・01・19 ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.28 22:47:18
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