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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.08.11
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和合亮一「詩の礫」徳間書店​
​​​​ 和合亮一が​ツイッターで「詩の礫」書き​​始めたのが、2011年3月16日です。始まりのほぼ一時間をここに引用します。​​​
震災に遭いました。避難所にいましたが。落ち着いたので、仕事をするために戻りました。皆さんいろいろご心配をおかけしました。励ましありがとうございました。
                     2011年3月16日4:23
本日で被災六日目になります。ものの見方や考え方が変わりました。
                     2011年3月16日4:29
行きつくところは涙しかありません。私は作品を修羅のように書きたいと思います。
                     2011年3月16日4:30

放射能が降っています。静かな夜です。
                     2011年3月16日4:30
ここまで私たちを痛めつける意味はあるのでしょうか。
                     2011年3月16日4:33
ものみな全ての事象における意味などは、それらの事後に生ずるのものなのでしょう。ならば「事後」そのものの意味とは、何か。そこに意味はあるのでしょうか。
                     2011年3月16日4:23

この震災は何を私たちに教えたいのか。教えたいものなぞ無いのなら、なおさら何を信じればよいのか。
                     2011年3月16日4:34

放射能が降っています。静かな静かな夜です。
                     2011年3月16日4:35
屋外から戻ったら、髪と手と顔を洗いなさいと教えられました。私達には、それを洗う水など無いのです。
                     2011年3月16日4:37
私が暮らした南相馬市に物資が届いていないそうです。南相馬市に入りたくないという理由だそうです。南相馬市を救ってください。
                     2011年3月16日4:40
あなたにとって故郷とはどのようなものですか。私は故郷を捨てません。故郷は私の全てです。
                     2011年3月16日4:44

放射線はただちに健康に異常が出る量ではないそうです。「ただちに」を裏返せば「やがては」になるでしょうか。家族の健康が心配です。
                     2011年3月16日4:53
そうかもしれませんね。物事と意味には明かな境界がある。それは離反していると言って良いかもしれません。
                     2011年3月16日5:32
私が避暑地として気に入って、時折過ごしていた南三陸海岸に、一昨日、1000人の遺体が流れつきました。
                     2011年3月16日5:34
​​​​ この日から、5月26日までのツイートがまとめられたのが「詩の礫」です。140文字というのがツイートの約束事らしいのですが、一回一回を読みつないでいくと、被災地の真ん中に座り込んでいる詩人の肉声が聞こえてくるようです。​​​​
魂の木を想う、魂が転がる闇を想う、魂は夜を明かす、魂は言葉を呟く、魂を生きよ、魂を生きている、あなた​
                             2011年5月26日5:20
あなた 大切なあなた あなたの頬に 涙
                             2011年5月26日5:21
いつか 安らぎの 一筋となるよう 祈ります
                             2011年5月26日5:21
そして共に 船の舵を 詩の舵を
                             2011年5月26日5:21
闇の港から 光の岸辺へ 私たちが朝となり 私たちが誕生となり
                             2011年5月26日5:22
船を 詩を 櫂を 漕ぎましょう
                             2011年5月26日5:22
新しい詩を生きるために
                             2011年5月26日5:23
共に信じるここに記す
                             2011年5月26日5:23
祈りとしてこの言に託す
                             2011年5月26日5:25
明けない夜は無い
                             2011年5月26日5:26
◎3.16から書き始めて、二ケ月と十日が経ちました。支えて下さったみなさん、本当にありがとうございました。
                             2011年5月26日5:52
◎見つけました。書斎の本棚の前の・・・、かさなっった本の合間に、胡桃が一個だけ、落ちていました。かつて、​何げなく拾ってきたもの…​。今日の記念にします。胡桃を机の上に載せて、ずっと眺めています。これが私にとっての詩の礫。
明けない夜は無い。                  
                                                                2011年5月26日6:08

​​​​​​ ​詩集は、こんなふうに終わります。250ページを超える呟きを支えているのは文脈の整合性ではありません。詩人の存在そのものです。最後に本棚から転がり出てきた「胡桃」についても、途中の呟きで出会うことができます。気にかかるかたは、どうぞ本書をお読みください。
​追記2019・12・08​​​​

​​和合亮一「詩の礫 起承転転」の感想はここをクリック​してください。同詩集所収の「春に」という詩についてはここをクリック​してください。​​
​​​追記2023・02・19
 毎日寒いですが、この寒さが緩むと、今年も3月がやってきます。20代から神戸で暮らしてきた​​ボクには1月は特別な月です。ことさらに日付を確認してどうこうという気分はありません。毎年、お正月の三が日が過ぎると「ああ今年も1月になった。」という、まあ、感慨とでもいう気分が浮かんできます。
福嶋や、宮城、岩手のみなさんも、おそらく、似たような、まあ、ボクのような甘ったれた気分ではないでしょうが、​気分を浮かべられるのだろうなと思います。で、ぼくは3月を意識すると和合亮一という詩人を思い浮かべます。​実は、この詩集を読んで以来、ツイッターとかも覗くようになりました。で、​​時々見かけます。マア、時々ですが、今日はどこかの新聞に記事をお書きになったというつぶやきをお見掛けしました。で、昔のブログの修繕にもどってきました。マア、そんな生活です。​

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最終更新日  2023.02.19 00:41:34
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