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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.09.06
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​​​​​​ビクトル・エリセVictor Erice 「ミツバチのささやき」​​​​​​​

 ビクトル・エリセという名前は知っていました。元町映画館のスケジュールで「みつばちのささやき」という題名を見つけて、2019年新春第1本目にふさわしいと決めて出かけましたが、一本目にカネフスキー「動くな、死ね、甦れ!」​を見てしまったので二本目になってしまいました。​​​​​
 しかし、この映画の次に、同じエリセ監督の「エル・スール」をやってることには気づかなかったんですね。
​​ 映画館の​おねーさん​

​​「3本立てにして次もみませんか?」​​

​ といってくれた意味に気づいたのは帰り道なんですからね。​​

「まあ、どっちにしても3本はなあ、しかし最終日やったし、うーん、ザンネン。」

​​​​ トラックが村のほうに向かってやってきて、子供たちが動いているトラックの荷台にぶら下がったり、群がって集まってきます。子どもたちに、わくわく感があふれていて、映画を観ているぼくは50年以上昔に、村の公民館で観た市川歌右衛門の恐ろしさを思い出していました。​​​

​​「あれは旗本退屈男だったのだろうか。」​​

​​ 子どもたちが壁に向かっていすを並べて、大人たちも集まってきて、部屋が暗くなって「フランケンシュタイン」が始まりました。

 映画が映画と一緒に始まった!

 美しい女性が男の消息を尋ねる手紙を書き終えます。女性は自転車に乗って出かけます。駅には蒸気機関車が到着して、女性は蒸気の中に消えて、それをカメラは追いかけて、女性が手紙を郵便貨車に投函するところを映し出します。
 男が不思議な覆面のような被り物で顔を覆ってみつばちの巣箱をいじっています。巣箱を片付けて被り物をとると農夫とは思えない頭の薄いインテリ風で、村の公民館の前を歩いて屋敷に帰ってゆきます。
 女性が自転車で帰ってきました。公民館ではまだ映画が続いています。
​​ 映画から帰ってきた夜、妹(アナ)がベッドのなかでおねーちゃん(イザベル)に尋ねるのです。​​

「なぜ、あの人はあの子を殺したの?なぜ、みんなはあの人を殺したの?」
「あの子は殺されていないし、モンスターも実は死んでいない、映画は全部作り物だから。」

​​ 村はずれの廃墟の小屋を見下ろす丘の上に二人の少女が立っています。広い、広いスペインの大地がずっと向こうまで広がっています。​​
 ​おねーちゃんのイザベル​が線路に耳をつけて列車が近づく音を聞いている。​妹のアナ​はずーっと向こうからやってくる蒸気機関車を線路の真ん中に立ってみています。

 この、立ってる少女の後ろ姿がなんともいえない。ずーっと、そうしているのを見ていたい。

 しゃれたカバンを持って、ガニマタで立っているこの子はどこへ旅立とうとしているのでしょうね。
 ​イザベル​に秘密でやってきた真夜中の小屋でアナはケガをした逃亡者と出会います。次の夜アナはリンゴや服を男に届けます。男は懐中時計を消す手品を見せてリンゴを受け取るのです。懐中時計を広げてオルゴールの音が流れだします。微笑むアナがリンゴを差し出します。
 闇の中に銃声が響き、閃光が煌めいて小屋の姿が浮かび上がる。
​ 血痕だけが残された、誰もいない小屋にやってきたアナ父の目を逃れて、広い広い原っぱにさまよい出てゆきます。闇の中で「フランケンシュタイン」に再会したアナは気を失い、やがて救い出されます。​

​「わたしよ、アナよ‥‥」​

​​ 窓の外の木立のそよぎに呼びかける少女。画面が暗くなり、劇場が明るくなりました。
​​​ ファシストフランコ美しい国スペイン。ふっとそんなイメージというか、ことばというかが頭の中にひろがりました。そして、不条理という言葉がうかびました。​​​
​ アナの不条理は死の恐怖や愛の苦しみを知る、その前の、自由、無邪気とも少し違う、少女の心の中に生まれたあり得ない精霊の物語で、でたらめで荒唐無稽な不条理かもしれません。でも、本当は、そっちこそが生きる力を作り出すのじゃあないでしょうか。​
 足をそろえて行進する秩序を強いる全体主義の社会があって、その中で生きる少年と少女たちには、かれらの物語があるのです。生きのびる少女の姿にホッとしました。
 今日のお土産は「元町ケーキ」のザクロでした。「エル・スール」は見逃しましたたけれど、いつかどこかで上映することがある日を楽しみにしようと思いました。
監督 ビクトル・エリセ
製作 エリアス・ケレヘタ
原案 ビクトル・エリセ
脚本 アンヘル・フェルナンデス=サントス ビクトル・エリセ
キャスト
アナ・トレント (少女アナ)
イサベル・テリェリア (姉イザベル)
フェルナンド・フェルナン・ゴメス (父)
テレサ・ギンペラ (母)
ケティ・デ・ラ・カマラ (メイド)
原題「El espiritu de la colmena」「The Spirit of the Beehive」
1973年 スペイン 99分 
2019・01・13・元町映画館no20
​​​​​​​
​​

​​追記2019・09・05​
​ 広い広い麦畑の風景。少女アナのあどけない表情。見てから半年たちましたが、この二つのイメージは消えません。時々ふっと浮かんできます。映画の魔術というのはこういうことをいうのでしょうか。
​​ 同じ正月に見たカネフスキー「動くな、死ね、甦れ!」​(クリックしてみてくださいね)は少年と少女の映画でしたが、やはり、全体主義に対する抵抗、きっぱりとした反対!を表現していたと思います。
 映画が芸術であるということは、政治思想の表現であるということと矛盾しません。芸術だけでなく、あらゆる表現の自由とは、それらすべてを認め、擁護するということだと思います。
 ご都合主義で、「公共」を口にする政治家や官僚に騙されてはいけません。公共の場では、あらゆる表現が自由でなければならないということを忘れ始めているこの国は、すでに全体主義が始まっているのではないでしょうか。
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最終更新日  2024.02.10 19:22:14
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