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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.09.26
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村田喜代子「屋根屋」(講談社)

 2014の出版ですから、もう、そんなに新しいとは言えないのかもしれませんが、追いかけるような、そうでもないような調子で読んでいる村田喜代子の小説「屋根屋」(講談社)を読み終わりました。​​​  表紙に使われているのはシャガール「街の上で」(Above the Townという絵ですね。女の人と男の人が空を飛んでいます。小説は、こんなふうに空を飛ぶ話ですよというわけでしょうか?​​
 著者の村田喜代子講談社のホームページ「屋根屋を捕らえる」と題して、こんなことを書いています。​​

​​ ある年の夏のはじめ、我が家の天井に小さな雨漏りの音がし始めた。まだたいした漏りではなさそうだったが、瓦屋の職人さんが一人やって来た。大男だった。彼は二階の屋根に登って、カタリ、カタリ、と何だかかわらけに似た懐かしい音を響かせながら、修繕を始めた。
(村田喜代子---屋根屋を捕らえる)​
​​​ 購入して何年たったのでしょう、雨漏りが始まってしまった建売住宅に暮らしている主婦。夫はゴルフ三昧のサラリーマンで、息子は受験かテニスかというありがちな悩みを抱えている三人家族の屋根の上を、「カタリ、カタリ」と歩く音がします。台所で、その音を聞いている女がいます。​​
​​ ​​​昼食をとる屋根職人と、麦茶のサービスをする主婦の間でふしぎな会話が始まります。職人は「夢日記」をつけているというのです。そこから、シャガールの絵のような、ある種、官能的な匂いをさせながら「夢の中」の物語が始まります。​​​​​
 女が男にエスコートされながら訪ねる夢の旅は福岡の「東経寺」を皮切りに、橿原の瑞花院、法隆寺の五重塔、屋根の形が個性的な寺院をめぐりますが、やがて、ヨーロッパのゴシック寺院を訪ねる海外旅行「夢」​へとスケールは拡大します。何しろ「夢の中」なのですから、どこにだって行けるのです。​男と女は「街の上で」ならぬ、「屋根の上で」逢瀬を重ねるわけです。​​​
 二人が訪ねる、それぞれの建造物についての蘊蓄は、読んでいて「勉強なさった」という感じが少し匂いますが、まあ、読者を飽きさせない工夫といっていいかもしれません。
​ ところで「夢の中」で旅を続ける二人、妻に先立たれた瓦職人と中年にさしかかった主婦の間に漂い続けているあやしい「男と女」の匂いはどうなるのでしょう。​
 作家は、前記の文章で、こう語っています。
  私はめったに夢を見ないタチである。また夢というものにことさら現実生活の深層の意味を読み取るような特別な興味も持たない。ただそんな自分の夢の一瞬に現われる、男と私の共同空間の不思議を思ったものだった。その夢の奇妙な水中は、この世界のどこにもない場所である。私が眼を覚ますと閉じられてしまう「場所なき場所」である。
​​​「夢落ち」という物語の型があります。作品の6の末尾にこうあります。​​​
​ 私はゆっくり息子に尋ねた。
「お母さんが京都に行ったのはいつだった?」
「ううん、いつでもないよ」と彼は澄んだ声で答えた。
「お母さんは京都なんかには行かなかった」​
​​​​ ​第1から6までが、「夢落ち」の結末にたどり着いたところなのですが、「なんだ、夢か、そうか、そうか」と納得するのはまだ早そうです。7には何が書かれているのでしょうね。それは、是非、お読みになって確かめていただきたいと思います。「うつつと夢」の境界は、それほど簡単でもなさそうですよ。​​​​
 全くの偶然ですが、この夏、法隆寺を徘徊しましたが、その時、カバンに入っていて電車の中で読みはじめたのがこの小説でした。帰りの電車の中で「法隆寺への夢の旅」あたりまで読みながら、「しまった、一日遅かった」と臍を噛む思いをしたのでしたが、夢のお告げはありませんでしたね。2019・09・22(S

​​​​追記2019・09・23
 こんなことを言うと、作者に叱られそうですが、作品の始まり、「屋根屋」が屋根を歩く「カタリ、カタリ」という描写がすごいなあと感心して引き込まれました。ただの屋根屋と主婦の会話もとてもいい。残念ながら、ラストシーンも頑張っておられるのですが、​「カタリ、カタリ」​は越えられなかったですね。
追記2022・12・21

 ​村田喜代子さんの作品の修繕をしています。ほかにもいろいろ案内したい作品はあるのですが、いつになるかわかりませんが、頑張ります(笑)。​
​​​​


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最終更新日  2022.12.21 23:04:21
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