1714679 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゴジラ老人シマクマ君の日々

ゴジラ老人シマクマ君の日々

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

シマクマ君

シマクマ君

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

読書案内「日本語・教育」

(21)

週刊マンガ便「コミック」

(84)

演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝

(35)

徘徊日記「日帰りでお出かけ」

(62)

演劇「劇場」でお昼寝

(2)

映画「元町映画館」でお昼寝

(93)

映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝

(26)

映画「シネリーブル神戸」でお昼寝

(90)

読書案内「映画館で出会った本」

(18)

読書案内「翻訳小説・詩・他」

(53)

読書案内「漱石・鴎外・露伴・龍之介・百閒・その他」

(23)

徘徊日記「垂水・舞子・明石」あたり

(53)

読書案内 「医者や科学者の仕事、まあ科学一般」

(27)

読書案内「現代の作家」

(100)

徘徊日記「お泊りでお出かけ」

(67)

徘徊日記「神戸・元町・三宮」あたり

(85)

読書案内「絵本・児童文学」=チビラ君たちへ

(48)

読書案内「社会・歴史・哲学・思想」

(77)

読書案内 「芸術:音楽・美術・写真・装幀 他」

(30)

読書案内「近・現代詩歌」

(54)

徘徊「港めぐり」

(4)

バカ猫 百態

(22)

読書案内「橋本治・加藤典洋・内田樹・高橋源一郎・他」

(18)

読書案内「水俣・沖縄・アフガニスタン 石牟礼道子・渡辺京二・中村哲 他」

(20)

読書案内「鶴見俊輔・黒川創・岡部伊都子・小田実 べ平連・思想の科学あたり」

(15)

映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

(2)

映画「こたつシネマ」でお昼寝

(13)

映画「パルシネマ」でお昼寝

(30)

読書案内「昭和の文学」

(25)

読書案内「BookCoverChallenge」2020・05

(16)

読書案内「くいしんぼう」

(9)

映画「Cinema Kobe」でお昼寝

(5)

週刊マンガ便「ちばてつや・ちばあきお」

(9)

週刊マンガ便「石塚真一・浦沢直樹・ハロルド作石」

(34)

週刊マンガ便「鈴ノ木ユウ・野田サトル」

(19)

ベランダだより

(151)

徘徊日記 団地界隈

(112)

徘徊日記 兵庫区・長田区あたり

(26)

徘徊日記 須磨区あたり

(29)

徘徊日記 西区・北区あたり

(10)

徘徊日記 灘区・東灘区あたり

(41)

徘徊日記 美術館・博物館・Etc

(5)

週刊マンガ便「吉田秋生・高野文子・やまだ紫」

(7)

徘徊日記 芦屋・西宮あたり

(11)

読書案内「大江健三郎・司修・井上ひさし・開高健 他」

(14)

読書案内「古井由吉・後藤明生・他 内向の世代あたり」

(3)

読書案内「谷川俊太郎・茨木のり子・大岡信 あたり」

(19)

読書案内「啄木・白秋・晶子 あたり」

(4)

読書案内「丸谷才一・和田誠・池澤夏樹」

(11)

読書案内「吉本隆明・鮎川信夫・黒田三郎・荒地あたり」

(13)

週刊マンガ便 「松本大洋」・「山川直人」

(13)

読書案内「リービ英雄・多和田葉子・カズオイシグロ」国境を越えて

(5)

読書案内「村上春樹・川上未映子」

(13)

映画 パレスチナ・中東の監督

(6)

読書案内「近代詩 賢治・中也・光太郎 あたり」

(7)

映画 韓国の監督

(25)

映画 香港・中国・台湾の監督

(37)

映画 アニメーション

(13)

映画 日本の監督 ア行・カ行・サ行 是枝・黒沢

(53)

映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭

(26)

映画 日本の監督 マ行・ヤ行・ラ行・ワ行

(16)

映画 イギリス・アイルランド・アイスランドの監督

(41)

映画 イタリアの監督

(21)

映画 ドイツ・ポーランド他の監督

(24)

映画 ソビエト・ロシアの監督

(11)

映画 アメリカの監督

(99)

震災をめぐって 東北・神戸・原発

(3)

読書案内「旅行・冒険」

(4)

読書案内「本・読書・書評・図書館・古本屋」

(13)

映画 オーストラリア・ニュージーランドの監督

(5)

映画 フランスの監督

(49)

映画 スペイン・ポルトガルの監督

(10)

映画 カナダの監督

(5)

映画 グルジア(ジョージア)の監督

(15)

映画 ウクライナ・リトアニアの監督

(7)

映画 イスラエルの監督

(3)

映画 マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、スロベニアの監督

(6)

映画 オランダ・デンマーク・ベルギーの監督

(10)

映画 フィンランド・スウェーデン・ノルウェイの監督

(6)

映画 トルコ・イラン・カザフスタンあたりの映画監督

(12)

映画 ギリシアの監督

(3)

映画 アルゼンチン・ブラジル・ペルー・チリの監督

(6)

映画 ハンガリー・ルーマニアの監督

(5)

映画 アフリカの監督

(3)

映画 スイス・オーストリアの監督

(3)

読書案内 戯曲 シナリオ 劇作家

(1)

読書案内 ジブリの本とマンガ

(5)

週刊マンガ便「小林まこと」

(9)

読書案内「野口武彦・前田愛・橋川文三・藤井貞和」

(2)

映画 インド・ネパール・ブータン・アフガニスタン・タイ・ベトナム あたりの監督

(5)

週刊マンガ便 キングダム 原泰久・佐藤信介

(17)

読書案内「川上弘美・小川洋子・佐伯一麦」

(9)

読書案内「立花隆・松岡正剛」

(5)

日記/記事の投稿

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2020.02.07
XML
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ナディーン・ラバキ―「存在のない子供たち」パルシネマ​
 2019年の秋にシネリーブルで公開されていた映画でした。予告編も繰り返し見ました。「見よう」という決心の踏ん切りがつきませんでした。2020年になって、パルシネマが「風をつかまえた少年」との二本立てで公開しました。二本ともが、封切りで躊躇した映画でした。
「そりゃあ、見とかんとあかんわよ。私は見ないけど。予告編で無理。」
「そうですね、じゃあ、見てきて喋らしてもらおか。」
​「ハイハイ。聞いたげるよ。」​
​ というわけで、月曜日のパルシネマでした。​
​二本目の「風をつかまえた少年」から着席しました。​
「あの、子役の子、すごい目えしとったねえ。どうやって見つけたんやろ。」
​「ほんまやなあ。人買いって、まだあるんやねえ。」​
 今見た映画に浸ってはるおばちゃんたちが元気にしゃべっていらっしゃいましたが、意に介さず。とりあえずコーヒーを一杯飲んで、来る途中で見つけた100円のカレーパンで腹ごしらえです。一本観終わって、外に出て一服。さあいよいよ​「存在のない子供たち」​です。
 男の子が医者の診察を受けています。医者が驚いた様子で叫びます。
「乳歯がない。」
 裁判のシーンが映し出され少年が両親を訴えています。
​「ぼくをこの世に産み落とした罪で。」
 次のシーンでカメラは空から街を映します。スラム街です。屋根が飛ばないようにタイヤが置かれているようで、それが上から見下ろした街の不思議な模様に見えます。動くものがが映し出されて、子供が銃撃戦ごっこをしているようです。ひとりの少年が木で作った自動小銃のおもちゃをもって路地を走っています。この映画の主人公、ゼイン君でした。裁判所で両親を訴えていた少年です。映画が始まりました。
 彼は初潮の出血を経験したばかりの11歳の妹を、無理やり妻として娶り、妊娠させて「殺した」家主の男を刺した罪で少年刑務所に服役中です。
 映画は路地を走っていた少年が裁判所で両親を訴えるまでの数か月の生活を映し出した作品でした。
​ ゼイン君は、初潮と同時に娘を売り払って口減らしをした両親と争い、家を飛び出しバスに乗ります。観覧車がまわる遊園地のある大きな町で身分証を持たない、エチオピアからの不法移民の黒人女性ラウルとその子供ヨナス君と出合います。ゼイン君が歩き始めたばかりのヨナス君の世話をして、母親のラウルが働きに行く、極貧ながら、ちょっと平和な生活が始まったと思ったのもつかの間でした。
 不法就労でラウルが捕まってしまいます。何日も行方が分からないラウルを待ちながら、二人の生活は極まっていきます。「ここ」に居続けることに絶望したゼイン君は金を稼いで「ここ」から出て行こうと決心します。
 カツアゲしたスケート・ボードに大鍋を乗せ、ヨナス君を座らせてロープで引っ張る「子連れ少年」の出来上がりです。回りに吊るしている小鍋はもちろん売り物です。
 映画は全体的な構成の意図をはっきり感じさせる以外はドキュメンタリータッチで撮られています。二人の姿を追いかけて、後ろから青空を背景に映し出したところからゼイン君ヨナス君を捨てようとするシーンまで、「哀切」極まりない少年とやっと歩き始めた小さな子供の交歓は、演技のかけらも感じさせないドキュメンタリー、現実そのもの、生きている人間をそのまま映し出している素晴らしいシーンの連続です。
 しかし、やがて、大家によって住まいから締め出され、隠していた脱出資金までも失ったゼイン君は万策尽きてしまいます。ついに彼はヨナス君を「人買い」に差し出し、「ここ」から出ていく金を手にします。これで出国に必要なのは「身分証明書」だけです。
 しかし、「身分証明書」を求めて、久しぶりに帰宅したゼイン君が知るのは「出生証明書」さえない自分の境遇と妹の死でした。目の前の包丁を握り締め、階段を駆け下りていく少年を止める事が出来る「人」はいるのでしょうか?
 映画の中でゼイン君は一度だけ笑います。モチロン、カメラマンに指示された作り笑いですが、その笑顔と引き換えに彼は「存在」の証明書を手に入れるはずです。​​​​​​​​​​​

 ​​この映画の原題はCapharnaum」​​​「混沌」とか「修羅場」という意味だそうです。邦題は「存在のない子供たち」でした。中々、センスがいい邦題だとも言えるかもしれません。見ている人は、ぼくも含めて最後のシーンに「オチ」を感じて納得するように題されているからです。でも、それは少し違うのではないでしょうか。​​
​​​​ 監督はキャスティングから、映画と同じ境遇の人たちから選んだそうです。映画に登場する人たちは、主人公も、ヨナス君も、ラウルさんも、ゼイン君の家族たちも、皆さん「存在のない」人たちばかりでした。
 ひょっとしたら、彼らは実生活でもそうなのかもしれません。映像も徹底的なドキュメンタリー・タッチを貫いています。子役たちは表情の演技なんかしていたのでしょうか。「人買い」がどこかの金持ちのために横行している現実で子供たちは生きているのではないでしょうか。​​​​

​ 「存在証明書」を手に入れる少年の笑顔に、ホッとして涙をこらえる事が出来ませんでした。しかし、本当に忘れてはいけないことはゼイン君もヨナス君も確かに「存在」しているということだったのです。​​​​​​​​​
「どうやった?」
​「うん、ヤッパリ、いつか見た方がええと思う。あんな、周りの人、子役がすごいとか感心してはってん。おカーちゃんのおっぱい探す子が、演技なんかするかいな。あれ見たら、アンタ確実に怒り狂って泣き出すと思うわ。「家族を想うとき」どころちやうで。」
​​「やろ。そやから見いひんねんて。」​​​​​

​監督・脚本・出演:ナディーン・ラバキ―Nadine Labaki
製作 ミヒェル・メルクト  ハーレド・ムザンナル
脚本 ナディーン・ラバキー  ジハード・ホジェイリ  ミシェル・ケサルワニ  

         ジョルジュ・ハッバス  ハーレド・ムザンナル
撮影 クリストファー・アウン
編集 コンスタンティン・ボック
音楽 ハーレド・ムザンナル

キャスト
   ゼイン・アル・ラフィーア(ゼイン:存在のない子供その1
   ラヒル  ヨルダノス・シフェラウ(ラヒル:存在のない大人その1
   ボルワティフ・トレジャー・バンコレ(ヨナス:存在のない子供その2・ラヒルの子供)
   カウサル・アル・ハッダード(スアード:存在のない大人その2・ゼインの母)
   ファーディー・カーメル・ユーセフ(セリーム:存在のない大人その3・ゼインの父)
   シドラ・イザーム(サハル:存在のない子供その3・ゼインの妹)
   アラーア・シュシュニーヤ(アスプロ:存在を作る男)
   ナディーン・ラバキー(ナディーン:弁護士)
2018125分レバノン
原題「Capharnaum」アラビア語でナフーム村。フランス語では新約聖書のエピソードから転じて、混沌・修羅場の意味合いで使われる。
20200203パルシネマ新公園


PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ
​ボタン押してね!​​​​





ゴジラブログ - にほんブログ村​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.05.21 22:23:55
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X