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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.02.24
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​​​​​​​藤原正彦「国家の品格」(新潮新書)


 まず最初にお断りしておきますが、ぼくは原則としてこのブログで案内する本について悪口は書かないことにしています。つまらないと思っている本を紹介しても、しようがないですからね。

 この記事はその原則を破った例外記事です。今から15年ほど前にとても流行った本ですが、当時の高校生に「読めばいいけれど、流行りに騙されたらあきまへんで。」という気楽な気分で書いた記事をそのまま載せています。
 15年たった今、世相はこの著者が乱暴に吐き散らしていた御託を「筋の通った意見」であるかのように祭り上げてしまいました。
 事実に対して、ひたすら情緒的で、品格があるとはとても言えない文章を記したに過ぎない一冊の本が200万部を超える読者を獲得し、「品格」とかいう流行語まで作り出した本です。
 
ぼくには読み直したりする気は毛頭ありませんが、「呪い」にまみれた「御託」が市民権を得るに至る「歴史」に関心をお持ちの方にお勧めします。
 なお記事は2006年、ブームが始まったころの「今」を想定してお読みください。
  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  

​​​​ 街の本屋さんに立ち寄ると同じ本が山積みされています。流行り始めると、拍車をかけて積み上げられて行きますね。最近山になっているのが「国家の品格」(新潮新書)という本です
 
書名が書名ですから、どこぞの引退政治家の演説かと思って覗いてみると、さにあらずでした。お茶の水女子大学の数学の先生、藤原正彦さんの著書でした。
 実はこの先生、数学の偉い学者さんであるらしいのですが、「若き数学者のアメリカ」(新潮文庫)というエッセイ集で評判をとって以来、なかなかの人気エッセイストなんです。著作の数は数え上げるときりがない(ホントはもちろんきりはあるけど)の人なのです。​​​​
 今の
​​高校生の皆さんはご存じないと思いますが、この方のお父さんは「山岳小説」というそれまで井上靖「氷壁」(新潮文庫)くらいしかなかった山登りをテーマにした小説ジャンルを人気ジャンルにした作家として有名な新田次郎という人です。​​
 
​​​​​​加藤文太郎という登山家の生涯を描いた「孤高の人」(新潮文庫)以来、それこそ数々の名作を残しています。ぼく自身のことを言えば、高校時代すかっりはまって、立て続けに読んだ記憶があります。
 山登りの小説なんて山の好きな人が読めばイイと思うかもしれませんが、この人の筆力にかかれば、作品の迫力と臨場感にすっかりはまり込んでしまい、自分が山に登って苦労して、息苦しいほどの錯覚に陥ること請け合いの作品群なのです。皆さんでもご存知かもしれない映画「八甲田山」の原作もこの人でした。
 お母さんはお母さんで戦後文学の代表作のひとつ「流れる星は生きている」(中公文庫)で、敗戦後、満州からの引き上げの様子を描いた藤原ていという人です。。名作中の名作です。
 というわけで、藤原正彦は文章家一家でそだった数学者というわけです。
 「ふーん、そうなのか?」
 そんなふうに、ちょっと驚く人もいるかもしれませんね。でも、父親の新田次郎ももともとは気象庁の技官で自然科学的素養を基礎に小説を書いた人なんです。ですから、小説家一家に数学者が生まれたことも、数学者がエッセイを書いたことも、まあ、不思議と思う必要はないかもしれません。​​​​​​
 
​​さて「国家の品格」の内容ですね。御覧のとおり「すべての日本人に誇りと自信を与える」と腰巻に書いてあるのですが、これが少々困ったことに、一冊の本の論旨に論理がない、実に、何が書いてあるか分からない本なのですね。
 「若き数学者のアメリカ」の頃から、文章はかなり乱暴でした。まぁそれが面白さだった面もある人なのですが、今回はちょっと頭が痛い。イヤ、全くわからないわけではないのですよ。​​

​ イギリスから帰国後、私の中で論理の地位が大きく低下し、情緒とか形がますます大きくなりました。ココでいう情緒とは、喜怒哀楽のようなものではなく、懐かしさとかものの哀れといった、教育によって培われるものです。形とは、武士道精神から来る行動基準です。ともに日本人を特徴づけるもので、国柄ともいうべきものでした。
​​ これが出発点にある主張です。例えばこの文章のにでてくる「情緒」という概念の説明ひとつにしてもかなり個人的な思い込みの定義ですよね。
 で、その「情緒」を前提に、現代の社会を憂いた言葉がほぼ二百頁にわたって綴られているのがこの本なのです。 ​
「アメリカの真似をして理屈が通っているからという正当性だけで、グローバリズムと強いもん勝ちのお金儲けに走るのは国を滅ぼす。」
 おそらくそういうことが言いたいのだという雰囲気はあるのですが、読めども読めども、結局、なにが言いたいのか、ぼくにはわかりませんでした。
 なんていうか、「みどりの黒髪は日本人で、茶髪はダメだ。日本人の品格がない。」みたいな個人的な思い入れを絶対化し、たとえ、その主張が多くの人の支持をうけるであろうからといって、本にして売るようなことは恥だとするような感覚こそが武士道精神ではあるまいかと思うのですが、そこのところの自分の振る舞いは見えない程度の「品格」らしいのです。
 「こんな腰巻をつけて売らんかなと、品格も恥も忘れる本屋も本屋だ!」
 と、まぁぼくは日本人であるコトに自信を取り戻すどころか、すっかり嫌気がさしてしまったという結末でした。
 ​
​​​​数学者の文章がこんなふうにお馬鹿なものばかりではないことは言い添える必要がありそうですね。「ひとりで渡ればあぶなくない」(ちくま文庫)、「エエカゲンが面白い」(ちくま文庫​)​森毅なんていう数学の先生は、実にエエカゲンそうにものを言っているのですが、きちんと世界を踏まえてかかれています。内容は、ユーモアたっぷりなうえに、シンプルで明快です。
 藤原正彦さんが大好きな岡潔だって、「春宵十話」(毎日新聞社​)​なんかで、保守的な主張はしていますが、こんなぶざまな文章は書いていません。数学に情緒の必要を説いたのは岡潔なのですが、なるほどとわかることを天才的なひらめきの文章で書いていたと思いますよ。どうせ情緒にかぶれるなら、なかなか手に入りにくい本だけれど、ぼくとしては、そっちがオススメですね。やれやれ・・・。(S)
2006・05・26​​​​​​​

​追記2020・02・25​
​ ぼくは藤原正彦のようなタイプの学者が嫌いなわけではありません。ただ、彼のようなタイプの人が「国家」や「社会」に物申したときに、ある種のプロパガンダとして存在してしまうことが往々にして起こるのですが、それは商品としての本の存在が、「トンデモ」な内容を「流行」によって拡散するという現象の結果だと思います。​
 この著者の「国家」や「日本語」に関する著作が本屋の棚にあふれた時期(今でもか?)がありますが、とても読む気は起こりませんね。ただ、いるんですよね、「この人に文部大臣になってもらいたかった」などと叫ぶ輩が。ぼくはそっちの人の方こそ信用しませんね。

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最終更新日  2020.12.11 08:52:02
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