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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.12.11
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​​フェデリコ・フェリーニ「8 1/2」元町映画館
​​ 最近映画を見ていて、不思議に思うことがあります。最後まで見終わって、結局、何のことかわからないのに、なんだか妙に面白かったりするのは、なぜなんだろうということです。たとえば、上のシーンは、今回見た​​フェリーニ「8 1/2」​​で、​マストロヤンニ​が帽子をかぶって風呂に入っているシーンですが、これって何なんでしょうね。​​
​​​​ フェデリコ・フェリーニの特集ということで、​2020年​の10月から11月にかけて、​フェリーニ​の映画を数本見ました。初めて見るものもありましたが、40年ほど前に見たことがあるはずの作品も数本ありました。​
 大学新聞の編集室にたむろしていた、まあ、後に医者になった友人が
​​「『8 1/2』見たか?すごいぞ。」​
​ ​と騒いでいたことを今でも覚えていますが、その頃、初めて見ました。
 神戸で地震があったころ、ビデオで映画を見ることに凝った時期もあって、繰り返し見たものもありました。​​​
​ ​ボクにとって、「8 1/2」という映画は、そういう映画なのですが、今回も見終わって、やっぱり、何のことかわからないままでしたが、見ていて、妙に「可笑しい」と思ったことを、今回、感じたのか、以前感じたことを思い出したのかわかりませんが、感じながら見ていました。​​​
​​​ 20代の頃どう思ったのかは忘れましたが、​マストロヤンニ​の扮する​グイド​という主役の映画監督「どうしようもないやつ」なのですが、その、自分が「どうしようもないやつ」だということが分かっているグイドの現実と、彼の頭のなかとが分け隔てなく映像化されている様子で、思いっきりハチャメチャな展開だということは記憶の通りでした。​​​​​​
​​ さまざなカメラ・アングルが曲芸のように使われている印象で、そうした工夫に、ある種、​フェリーニ​という監督の「自己言及」的な視線の、何といったらいいのかよくわかりませんが、​「奇怪さ」​のようなものを感じました。​​
​​​​ 最後の有名なセリフ​「人生はお祭りだ」​に対しても、また、そのセリフとともに繰り広げられる、あまりにも有名なダンスのシーンにも、驚きや共感というよりも、やはりうまく言えませんが、あまりにも素朴な内面凝視の​「いたいたしさ」​ような印象が浮かんできて、むしろ、そのことに驚いてしまいました。​
 こうした感想は、どうも、ぼく自身の「老化」と関係がありそうですが、この映画には、最終的に「死」への希求が描かれようとしていたのではないか、というのが帰り道で考えたことですが、それもまた、何だか辛い感想でした。
 それにしても​フェリーニ​​マストロヤンニ​もとっくの昔にこの世の人ではないのですね。2020年の新作でアヌーク・エーメや、フェリーニの映画には出ていませんがカトリーヌ・ドヌーヴが新しい映画に出ているのですから、いやホント「女は強し!」なのでしょうかね(笑)。​​​​​​​​

監督 フェデリコ・フェリーニ
製作 アンジェロ・リッツォーリ
原案 フェデリコ・フェリーニ エンニオ・フライアーノ
脚本 フェデリコ・フェリーニ トゥリオ・ピネッリ エンニオ・フライアーノ ブルネッロ・ロンディ
撮影 ジャンニ・ディ・ベナンツォ
美術 ピエロ・ゲラルディ
衣装 ピエロ・ゲラルディ
音楽 ニーノ・ロータ
キャスト
マルチェロ・マストロヤンニ(グイド・アンセルミ)
アヌーク・エーメ(ルイザ・アンセルミ)
サンドラ・ミーロ(カルラ)
クラウディア・カルディナーレ(クラウディア)
1963年・140分・イタリア・フランス合作
原題「Otto e Mezzo」
配給:コピアポア・フィルム
日本初公開:1965年9月26日
2020・11・06元町映画館no64
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最終更新日  2023.11.03 23:32:48
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