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100days100bookcovers no46 (46日目)
田村隆一「田村隆一詩集」(現代詩文庫・思潮社) 帰途 田村隆一 DEGUTIさんが紹介していらっしゃる「ことばの危機」(集英社新書)という書名に、条件反射のように口をついて出てきたのがこの詩の冒頭の一行でした。だから、今回のバトン・パスは、実にスムーズに進みました。 このブックカバー・チャレンジでは、ここまで詩集なんて出ていないという意味でも、持ちだしやすいし、田村隆一のこの頃の詩は「ことば」をめぐる、ある種、研ぎ澄まされた作品が多く、この詩も所収されている「言葉のない世界」という詩集には ウィスキーを水でわるように という印象的な二行でしめくくられた「言葉のない世界」という、今となっては懐かしい詩も収められています。 ぼくの書棚に無事生息していた「現代詩文庫」のこの一冊は、およそ50年前に買った本ですが、ビニール・カヴァーがかかっているので、思ったほど汚れていませんでした。何度も読んだかというと、そういうわけでもありません。 田村隆一は、ある時期からただの飲んだくれの「女たらし」だったようですが、そのあたりのことはテレビドラマにもなったらしい、ねじめ正一の「荒地の恋」(文春文庫)や、翻訳家宮田昇の「戦後翻訳風雲録」(本の雑誌社)に詳しいので、そちらをお読みくださいね。 特に宮田昇の本は、あの頃、ハヤカワミステリーや「SFマガジン」に夢中だった方にはお薦めですよ。何といってもこの詩人はアガサ・クリスティやロアルド・ダールの翻訳で食べていた人ですから、そのあたりの裏話満載で、 「あきれて言葉を失う」 ような「詩人」の実像に出会えると思いますよ。 まあ、それにしても、彼の詩は読みでがあると思います。今回、少し読み返しましたが谷川俊太郎ともども、 プロの詩人 を実感させる作品群ですね。 というわけで、YMAMOTOさん、次をよろしくね。(SIMAKUMA・2020・10・27) 追記2024・03・08 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.12 21:20:31
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