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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.03.29
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​​熊切和嘉「海炭市叙景」十三第七芸術劇場 2020年の暮れにコロナが再炎上し始めた頃から、遠くの映画館に出かけるのが億劫になってしまい、スケジュールも調べないままでしたが、ふと「十三第七劇場」のホームページをのぞくと、なんと、「海炭市叙景」をやっているではありませんか。
 その上、本日2月25日(水)が最終日となっています。これは、まあ、とるものもとりあえず、という気分であわてましたが、上映は、夕方の5時過ぎからということなので、とりあえず、三ノ宮で予定していた1本を見て、つまり、まあ、とるものを取ってから移動することにして、出かけました。​

​​​​ 佐藤泰志の原作小説は「海炭市」という架空の街を舞台にした「短編連作集」なわけですが、ぼくが好きなのは「まだ若い廃墟」と題された作品で、なけなしの金をはたいて「初日の出」を見るために、兄、妹の二人でロープウェイに乗り、登った函館山の展望台から帰りの金がないので兄一人歩いて降りて、その途中に遭難するという話なのです。
 竹原ピストル​谷村美月​の二人が兄と妹を演じて、映画のプロローグになっていました。​​​​

 始まりのシーンは学校の教室でした。造船所で大きな事故があったようです。教室にはいってきた別の先生から早く帰るように促された少女が廊下に出ると、少年がポツンと待っていました。
 兄と妹の二人で暮らす、今では珍しい棟割長屋風のアパートや、妹の作ったお弁当を食べるシーンがあります。
 兄が働く造船所の進水式のシーンで大きな船が映し出されます。喜びにあふれた若い工員が、滑るように動き始めた巨大な船体と一緒に走り出し、手を振っています。
 シーンがかわり、やがて、大量解雇の一人として、職を失う青年の姿が映しだされます。

 初日の出を見ることを思いついた兄が妹を誘います。当たり前ですが、大晦日の夜です。ロープウェイ乗り場に急ぐ二人が市電の線路を渡ります。兄は山の上で、珍しくビールを飲みます。しかし、そこから、兄だけが帰ってきません。​ここで、タイトルロールが流れ、海炭市の日常が始まります。​
 映画は、その日、二人の、すぐ後を通過する市電に乗っていた人たちが、それぞれ生きている小さな世界の集合として「海炭市」を描くという方法で出来ていました。
​​​ チラシの二人は市電に乗っていたプロパンガス屋を継いだ加瀬亮と、再婚した彼の連れ子で義理の母親から虐待されているアキラ少年の親子です。ぼくはチラシを見た時、この二人が「まだ若い廃墟」の兄と妹だと思い込んでいました。​​​
​ 映画が小説集の登場人物を、おなじ街に生きる群像としてすれ違わせたり、出合わせたりすることで佐藤泰志の世界を具現化していることに「おもしろさ」を感じました。​
​​​ この市電の運転手も、アキラ少年が毎日のように通うプラネタリュームの職員も、小説では、それぞれの短編の主人公たちなのです。​​​
​ 映画は短編小説集の登場人物たちをオムニバスとして並列するのではなくて「海炭市」という街を主人公というか、昔のハヤリ言葉でいえば「サーガ」として描いているわけで、監督が「映像」で「小説」を読み解いていくのを見ている印象ですが、小説の世界と映画の世界は異なっています。そこがこの映画の、二つ目の面白さだと思いました。​
​​​ そういうわけで、小説そのものが「暗い」のですから、映画もまた「暗い」のはしかたりません。まあ、それが見たくてやってきたわけですから。
 映画のプロローグで、あっけなく死んでしまう竹原ピストル君が、進水していく大きな船の船体に向かって、喜びにあふれた笑顔で手を振っていたシーンと、最後の最後に、立ち退きを拒否して暮らしている老婆トキが、仔を孕んで帰ってきた飼い猫に「産め産め」と呼びかけるシーンが印象に残りました。​​​

 東北の震災の1年前に、わたしたちの社会は、すでにここまで来ていたのだという、ため息のような感慨が残った映画でした。
監督 熊切和嘉
原作 佐藤泰志
脚本 宇治田隆史
撮影 近藤龍人
美術 山本直輝
音楽 ジム・オルーク
キャスト
谷村美月(井川帆波)
竹原ピストル(井川颯太)
加瀬亮(目黒晴夫 )
三浦誠己(萩谷博 )
山中崇(工藤まこと )
南果歩(比嘉春代 )
小林薫(比嘉隆三 )
中里あき(トキ )

2010年・152分・日本
2021・02・25十三七芸no6


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最終更新日  2023.11.17 22:25:46
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