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松居大悟「くれなずめ」シネ・リーブル神戸 若い友達が監督の名前を口にしているのを小耳にはさんで観に来ました。松居大吾という30代の劇作家で、かつ、映画も撮っているというということでしたが、ぼくは名前も映画も知りませんでした。
映画は松居大吾「くれなずめ」でした。案の定、いつも見ているプログラムに比べて、明らかに若い方たちが客席にはいらっしゃって、上映は月曜日の夕方でしたが、結構込み合っていました。 ウルフルズという、今ではおじさんの(トータス松本君は54才だそうです)グループの「それが答えだ」という歌を「答えが明かされていない所が良いのだ」と、気に入っている主人公、吉尾くんと、残り5人の男の子たちが、友人の結婚披露宴で5年ぶりに再会して、12年前、高校の文化祭の出し物でやった「それが答えだ」の「赤ふんダンス」とやらを披露宴で披露して、客からドン引きされ、会場からの帰り道、5人で何やかやと思い出に浸りながら「暮れなずむ」夕陽がスクリーンいっぱいに広がるというラストで、映画は終わります。 チラシにもありますから書きますが、5年前に5人が会ったのは、25歳で急死した吉尾君の葬儀の時だったというのが、この物語の骨格で、亡くなった高校時代の友人と共有できる、思い出の「物語」を演じることで、「青春」とやらに「くれなずめ」と命じている、まあ、今風なのか、今風ではないのか、30目前の青年たちの、「それが答えだ」という映画だったと思いました。 こういう、ありがちなストーリーを、客を揺さぶる映画として作り上げるのは大変ですね。正直、高校生だったころのシーンも、30歳前のおにいさんたちのシーンも、赤ふんダンスのシーンも、映画としてはお粗末だと思いました。 「テンポよく」が条件ですが、舞台で「生」でやると受けるだろうなと感じるシーンは多いのですが、映像にすることで生じる客とスクリーンとの「距離感」のようなものに、この監督は無頓着だというのが感想です。 なんだか、ボロカスですが、不思議なことに見終えた印象はそう悪くないのですね。「笑わせてやる!」とウルフルズが主題歌で絶叫していましたが、ちょっと、笑えないのが、まあ、どうしようもないのですが、「答」がないことに「時代」がうろたえている感じは、妙にリアルでしたね。 もっとも、そこが監督の描きたいところだったかどうか、それはわかりません。でもね「答」なんて、いつの時代にも、どの年齢にもないんじゃないですかね。 監督 松居大悟 脚本 松居大悟 撮影 高木風太 音楽 森優太 主題歌 ウルフルズ 振付 パパイヤ鈴木 キャスト 成田凌(吉尾) 若葉竜也(明石) 浜野謙太(ソース) 藤原季節(大成) 目次立樹(ネジ) 高良健吾(欽一) 飯豊まりえ(弘美) 都築拓紀 前田敦子 岩松了 パパイヤ鈴木 2021年・96分・G・日本 2021・05・17‐no48シネ・リーブル神戸no92 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.04 02:11:11
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