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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.06.05
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​​河合雅雄「ゴリラ探検記」(講談社学術文庫)
 
「サル学」河合雅雄が2021年5月14日に亡くなったというニュースを見ました。ジャーナリストの立花隆「サル学の現在(上・下)」(文春文庫)という長大なレポートを書いて評判になって以来、サル学という言葉が普通名詞になりました。1990年代の初めのころのことでした。​
​​ しかし、今西錦司に始まる京大の「サル学」の世界、ニホンザル、ゴリラ、チンパンジーの社会に潜り込んで霊長類の生活や歴史を探る世界へ、ぼくたちのような素人を誘ってくれたのは、立花隆ではなくて、河合雅雄、井谷純一郎、西田利貞といった、今西門下の、みなさん、そろって、実に文章の上手なフィールド・ワーカーたちの報告でした。​​
​​ 中でも、河合雅雄は、子供向けの童話から翻訳まで手掛ける、「サル学読書界」のスター選手というべき人で、案内したい本が山積みですが、彼が世に問うた最初の本が「ゴリラ探検記」(講談社学術文庫)でした。​​
 ​100メートルも行ったであろうか、ルーベンは鼻をぴくつかせていたが、しわがれた声で「ゴリラ」とささやいた。私にはなにも見えない。かすかな音も聞こえない。ルーベンはぐいと私の手をひっぱり木立の中をさした。二、三歩進んだ私は、思わず棒立ちになって息をのんだ。10メートル先に、巨大な漆黒の手が伸びているのを見たのだ。ゴリラだ!彼は私たちに気づかず、木の葉をたべていたのである。
 後ろでカシャと音が聞こえた。水原君がニコンのシャッターを切ったのだ。同時にかき消すようにその手が消え、鈍い音とともに黒い塊が左へとんだ。ルーベンは茂みの穴をさして、そこへはいっていけという。雨は相変わらず降っていて、しずくが音を立ててヤッケにあたる。不気味にあいている穴は、地獄の門のように見えた。ちゅうちょする私を、ルーベンは容赦なくぐいと押した。
 茂みは分厚くもつれ、ぬれた木をおしわけて、はうようにして進むのがようやくである。茂みの中は薄暗かった。私は闇の中を手探りで、一歩一歩ふみしめて歩いていく思いだった。足跡は深い谷に落ち込むように向かっていた。とつじょ、十二、三メートル横の茂みで「グヮーッ」というものすごい咆哮がした。そして、大きく木がゆれた。そこにひそんでいたゴリラのリーダーが威嚇したのだ。しかし、私たちは身動きもできず、急ながけのツタにつかまって体を支えていつのがせいいっぱいであった。逃げようたって、このがけではどうにもならないではないか。(第1章「ゴリラの聖域」
​ 長々と引用しましたが、「ニホンのサル学がゴリラと出会った瞬間」というべきの場面の描写です。学術文庫で、300ページを超える大作ですが、こうして写していてもワクワクしてきて、夢中になった記憶が浮かんできます。もう、35年も昔の話です。
 山積みの中から、追々、案内したいと思いますが、これからも忘れてほしくない人ですね。冥福を祈りたいと思います。



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最終更新日  2021.06.05 00:34:22
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