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カテゴリ:映画 香港・中国・台湾の監督
チェン・ユーシュン「1秒先の彼女」シネ・リーブル神戸 2020年に作られた台湾の映画だそうです。チェン・ユーシュンという監督さんは、結構有名な方らしいのですが、ぼくは知らない人でした。映画は「1秒先の彼女」、中国語の題が「消失的情人節」だそうで、こっちの題のほうがおもしろそうですね。 郵便局で事務員さんをしている女性ヤン・シャオチーさんが、まあ、なんというか、面白いオネーさんで、やたら下ネタをいうのが、笑っていいのか、知らん顔をしていいのかわからない人でしたが、
「1秒先」の人!でした。マア、ようするに慌て者ですね。 で、彼女の幼馴染だったらしいのですが、彼女は全く覚えていないバスの運転手をしているオニーさん、ウー・グアタイさんが 「1秒後」の方!で、いわゆる引っ込み思案ですね。で、この 1秒!が、まあ、ネタというわけでした。 映画というのは、いろんなことができるなあ、と感心したのですが、よく考えてみれば、 「映像を止める」 というのは、まあ、実に古典的な方法なわけで、そんなによろこぶほどのことでもないんじゃないかとは思いながら、しかし、素直に笑えました。うまいものです。 時間が止まっている人間をマネキンみたいにしてポーズを取らせたり、おぶったり、タンスから突如、ヤモリの神様が登場したり、窓の向こうにラジオの映像が見えたりとか、なんだか、昔のテント芝居のごった返しを観ている感じで、そこに生まれてくる、まあ、 ハチャメチャな「空間」(笑) が実に刺激的で、かつ、実にノスタルジックな気分にならせていただきました。 なかでも、海辺というか、海の中を走る通勤バスのシーンとかは、ノスタルジーを越えてうなりました。リアルな風景がイマジナリー空間へと見事に変貌していきました。 「おー、これは、これは!うーん、やるな!」 そんな納得でした。「1秒先」の女性と、「1秒後」の男性の凸凹コンビの、凸凹の合わせ目をとても巧妙に現前させてみせてくれた、この映画の作り手の、このセンスと構成力をもっと見てみたい。そういう良い気分で映画は終わりました。拍手! ところが、帰り道に考えこんでしまいました。 「1秒早く反応するというのは、1分に対して59秒しか使わないわけで、1秒遅れるというのは1分に対して61秒かかっているわけやから、時間が余るのは慌て者の方ちゃうんか。なんで、引っ込み思案の方に余るんや?」 もちろん結論は出ていませんが、映画の面白さとは、ほぼ、関係ありませんね。(笑) 監督 チェン・ユーシュン 脚本 チェン・ユーシュン 撮影 チョウ・イーシェン 美術 ワン・ジーチョン 編集 ライ・シュウション 音楽 ルー・リューミン キャスト リウ・グァンティン(ウー・グアタイ) リー・ペイユー(ヤン・シャオチー) ダンカン・チョウ(リウ・ウェンセン) ヘイ・ジャアジャア(ペイ・ウェン) リン・メイシュウ グー・バオミン チェン・ジューション リン・メイジャオ ホアン・リェンユー ワン・ズーチャン チャン・フォンメイ 2020年・119分・G・台湾 原題「消失的情人節 」・「My Missing Valentine」 2021・07・05-no61シネ・リーブル神戸no99 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.17 12:04:42
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