山根真吾「バケモン」シネ・リーブル神戸 題名が衝撃的です。「バケモン」ですよ。この題名で、追いかけた相手が「鶴瓶」です。「家族に乾杯」のボルテージの下がり具合を心配する「鶴瓶ファン」なら、本当は「バケモン」の笑福亭鶴瓶を観たいと思って、映画館に来ると思います。
客席は、高齢のカップルをはじめ、そこそこのお客さんで埋まっていました。皆さん「バケモン」と出会うことを期待していらっしゃったのではないでしょうか。
で、映画はどうだったか。
「バケモン」は最初から最後まで、どこにもいませんでした。チラシには「日本の17年間に没入」した密着映像とか、「非日常の1時間59分59秒」とか、煽ってありました。でも、少なくともぼくには、とてもまじめでいい人の「鶴瓶さん」がいるだけでした。普通、こういうのは「バケモン」とは言わんな
という映画でした(笑)。 ぼくは、同世代ということもあってアフロの時代から鶴瓶という芸人さんを見知っていますが、こういう教育テレビまがいの、ちゃちな構成で「バケモン」と呼ぶのは、当の鶴瓶がかわいそうだと思いました。
期待した香川照之のナレーションも、途中からは耳障りなだけで、まあ、なんとなくな溜息しか出ない映画でしたね。
監督・演出 山根真吾
企画 千佐隆智
撮影 山根真吾 津村和比古 山本景三 加藤智則 倉田修次
ナレーション 香川照之
キャスト
笑福亭鶴瓶2021年・120分・G・日本
シネ・リーブル神戸no102