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カテゴリ:読書案内「近・現代詩歌」
松村由利子 「子育てをうたう」(福音館)
著者の松村由利子さんは1960年生まれの歌人だそうです。毎日新聞社にお勤めになって生活家庭部とか、科学環境部に所属して記者をなさっていたようですが、現在は石垣島にお住みになっていらっしゃるようです。 彼女の名前をどこで知ったのか、全く覚えがないのが不思議ですが、この本は図書館で借りて読みました。 赤ちゃん こんな目次で、お母さんのおなか中に新しい命として宿ってから、出産を経て、やがて学校に通い始めるまでの、その時その時の子どもの姿が詠まれている短歌が集められて、一首一首感想が記されているという短歌のアンソロジーです。 感想は、働きながらお子さんを育てられた女性の何気ない言葉として記されていて、鑑賞の助けはしてくれますが、邪魔にならないところが妙味です。 章ごとに記憶に残った歌を引用してみます。 「赤ちゃん」 なんだか引用の歌がふえすぎて大変なことになってしまいましたが、何はともあれ「いいな」とぼくが思った歌です。太字が「章」の名前と見出しです。見出しごとに、だいたい引用の三倍ほどの歌が載っています。 四人いた子供たちがみんな出て行ってしまった家で暮らす老人には、ただ、ただ、懐かしいだけのようなものですが、生まれたばかりの赤ん坊や、わんぱく盛りの少年たちと暮らしていた、あのころ読んでいれば、また違った感想だったかもしれないと思いました。 表紙のお母さんと二人のおチビさんの絵も素直に懐かしく感じましたが、裏表紙を見てしみじみしてしまいました。子どもたちはこうして旅立っていくのですね。まあ、自分も、そうしてきたのですが。 お母さんの歌が多いのですが、若いお父さんにも読んでほしいと思ったアンソロジーでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.02.26 13:33:57
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