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三木聡「大怪獣のあとしまつ」109シネマズ・ハット 予告編を見ていて思ってしまいました。
「ああ、ゴジラが死ぬんや。見なきゃしようがないなあ。」 実はシマクマ君は日本映画史に燦然と輝く、あの「ゴジラ」と同い年、1954年生まれです。というわけで、この60数年、あれこれ造り出されてきた幾多の怪獣たちの中で、ゴジラに対しては別格の親愛感を抱き続けてきた人生でした(笑)。かのハリウッドの爬虫類映画に至るまで、ゴジラと聞けば馳せ参じてきました。まあ、そういうわけで、そのゴジラが何者かによって惨殺されたとあれば駆けつけるほかないわけじゃないですか。 で、2022年、2月11日、なんだか意味深な日ですが、109シネマズ・ハットにやってきて見たのが、三木聡という監督の「大怪獣のあとしまつ」でした。 感想は一言 「駄作!」 でした。 まず、死んでいたのはゴジラではありませんでした。予告編はウブなゴジラファンを、だます意図で作られたとしか思えないインチキ広告でした。 この映画の中で「大怪獣」とか、とどのつまりは「希望」とか名付けられた生物死体の全景は一度も映し出されません。まず、そのことが不愉快でした。 筋立ては、ご都合主義で、「デウス・エクス・マーキナ」なんていう御託を吹聴して見せながら、一方で、おかしくもなんともない言葉遊びに終始しながらどう考えても性差別でしかない下ネタで笑いをねだる一方で、死体がまき散らす異臭ガスを巡っては、近隣諸国に対する「ヘイトの風潮」を煽るかの映像を繰り返し映し出し、とどのつまりは「国家のため」とかいうセリフを若い俳優に口走らせるに至っては、作品世界の構成上の必然性を言い訳にすることさえも到底できない、陳腐な表現というしかありませんでした。 2011年の原発事故やコロナ騒動の社会のありさまや、あるいは政治的経緯に対する風刺的意図を匂わせて、たとえば「帰宅困難地域」というような、被災者の現実が終わっていない用語を、映画に登場する政府の役人や、国防軍とやらの軍人に繰り返し叫ばせていましたが、いったい何が言いたいのか、意味不明でした。 若い俳優のことはよく知りませんが、西田敏行とかオダギリジョー、笹野高史とかいうベテランの俳優たちが、物語のキーマンとして登場していましたが、なんだか哀れでした。 しかし、恐るべきことには続編が用意されているそうで、今度はガメラが死ぬそうです。いや、ホント、ええ加減にした方がいいと思うのですが、この映画も、2022年の2月の第1週の週末興行成績は1億数千万円だそうで、邦画のベスト3にランクインしているそうです。まあ、他人のことはいえませんがえらい時代ですね(笑)イヤ、ホント、付き合いきれません。 監督 三木聡 脚本 三木聡 撮影 高田陽幸 照明 加瀬拓郎 録音 高野泰雄 美術 磯見俊裕 怪獣造形 若狭新一 編集 富永孝 音楽 上野耕路 キャスト 山田涼介(帯刀アラタ) 土屋太鳳(雨音ユキノ) 濱田岳(雨音正彦) 眞島秀和(敷島征一郎) ふせえり(蓮佛紗百合) 六角精児(杉原公人) 矢柴俊博(竹中学) 有薗芳記(川西紫) SUMIRE(椚山猫) 笠兼三(道尾創) MEGUMI(甘栗ゆう子) 岩松了(五百蔵睦道) 田中要次(国中島隼) 銀粉蝶(ユキノの母) 嶋田久作(中垣内渡) 笹野高史(財前二郎) 菊地凛子(真砂千) 二階堂ふみ(サヨコ) 染谷将太(武庫川電気) 松重豊(八見雲登) オダギリジョー(ブルース青島涼) 西田敏行(西大立目完) 2022年・115分・G・日本 2022・02・11-no16109シネマズ・ハットno8 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.15 23:51:00
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