ロブ・マーシャル「シカゴ」パルシネマ
ここの所「ミュージカル映画」と聞くと気が騒ぎます。新開地のパルシネマで「シカゴ」と「天使にラブ・ソングを…」の2本立てがかかっているの見つけてさっそく出かけました。
パルシネマはコロナ騒ぎに負けず頑張っていらっしゃって、なかなか人気のある映画館です。プログラムも見落としていた最近の話題作と懐かしの名作の重ね方がお上手です。
最近、防災スプリンクラーの不備とかで消防局にいじめられているようですが、まあ、シマクマ君にとっては20代で映画を見始めた最初からある映画館ですから、何があろうと潰さないでいただきたいものです。
で、二本立ての映画でしたが、ロブ・マーシャル監督の「シカゴ」の方だけを見ました。最近見た「紳士は金髪がお好き」のマリリン・モンローのポジションがレニー・ゼルウィガーの演じるロキシー・ハート 、ジェーン・ラッセルのポジションがキャサリン・ゼタ=ジョーンズの演じるヴェルマ・ケリーでした。二つの映画の女性の組み合わせ方が、よく似ていると思いました。
映画の冒頭、金髪の美女をクローズアップして、カメラが瞳の奥まで迫っていくシーンが印象的でした。意識と現実の交互の映像化を暗示しているのでしょうね、うまいものです。
二人の美女と絡むのが弁護士のビリー・フリン(リチャード・ギア)と女性看守のママ・モートン(クイーン・ラティファ)です。なんで弁護士や看守が出てくるのかなというわけですが、美女二人が殺人罪で拘留中(笑)の方だからですね。
二人とも、れっきとした殺人の犯人ですが、金の亡者で口先三寸の辣腕弁護士ビリーの手によって、いかに無罪を勝ち取り、いかにキャバレーの女王として復活するかという、まあ、アホらしいお話ですが、最後の最後まで見せてくれました。
歌、ダンス、お色気、アホ・バカストーリーのドタバタ、どれも一流でした。顔を知っている役者といえばリチャード・ギアとハート嬢のバカ亭主役のジョン・C・ライリーくらいですし、流れてくる歌も全く知らない歌ばかりなのですが飽きません。主役のお二人とも初めてお出会いする女優さんでしたが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズさんの「ギラギラ感がいいなあ」と思って調べてみると、映画は2002年のアカデミー賞の作品賞で、彼女は助演女優賞でした。納得ですね。ハリウッドって、こういう映画を作るのがホントにうまいですね。
全編飽きさせない監督ロブ・マーシャルに、まず、拍手!でした。レニー・ゼルウィガーのお色気、ゼタ=ジョーンズのギラギラ、リチャード・ギアのアホ演技もよかった、まとめて拍手!です。
筋立てと画面の切り替えが、いかにも舞台での演劇を連想させる気がして、ついでに調べてみるとボブ・フォッシーのブロードウェイ・ミュージカルの映画化でした。
ボブ・フォッシーといえば「キャバレー」、「オール・ザっと・ジャズ」ですが、ぼくにとっては「レイニー・ブルース」の監督です。シマクマ君はあのダスティン・ホフマンが好きなのです(笑)。
監督 ロブ・マーシャル
原作 ボブ・フォッシー フレッド・エッブ
脚本 ビル・コンドン
撮影 ディオン・ビーブ
美術 ジョン・マイヤー
衣装 コリーン・アトウッド
編集 マーティン・ウォルシュ
音楽 ダニー・エルフマン ジョン・カンダー
振付 ロブ・マーシャル
キャスト
レニー・ゼルウィガー(ロキシー・ハート)
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(ヴェルマ・ケリー)
リチャード・ギア(ビリー・フリン)
クイーン・ラティファ(ママ・モートン)
ジョン・C・ライリー(エイモス・ハート)
ルーシー・リュー(キティー)
クリスティーン・バランスキー(メアリー・サンシャイン)
コルム・フィオール(マーティン・ハリソン)
ドミニク・ウェスト(フレッド・ケイスリー)
2002年・113分・アメリカ
原題「Chicago」
2022・03・24-no39・パルシネマno42