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カテゴリ:映画 香港・中国・台湾の監督
ウォン・カーウァイ「ブエノスアイレス」シネ・リーブル神戸 「やりなおす」ために、香港からアルゼンチンくんだりまでやって来たウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)の二人組がイグアスの滝への道中で道に迷い喧嘩別れするところから映画は始まりました。 恋人同士なのですね、この二人は。だから「やりなおす」っていうのには、そういう意味が、マア、あるわけです。考えてみれば、この映画も「男と女と自動車」で始まるんです。で、マア、ありがちなのですが、二人の関係(やっぱり、恋愛っていうべきですかね?)っていうのでしょうか、それを「やりなおす」はずなのに喧嘩しちゃうんです。そういう始まりです。マア、男と男ですけど。 「マア」ばっかり出てくるところに、見ているぼくの腰が引けてる感じが出ていますが、マア、引けてました(笑)。 で、イグアスの滝のシーンが、「映画全部の」というか、二人の関係のシンボルのように視覚というか、記憶に焼き付けられるのです。この撮り方、というか、シーンの挿入のしかたはウォン・カーウァイのほかの映画(数本しか見ていませんが)でも使われていた気がしますね。 南の島だったか、南の国だったかの緑の森のシーンとか、オートバイで疾走する高速道路やトンネルの、光のシーンとか、見ている人間に、何か、得体のしれないものを刷り込んでいくんです。 例えば、この映画のイグアスの滝の巨大な落下の俯瞰シーンは映画が男同士の「愛」を描いていることと、やっぱりリンクしていて、男女の「愛」の映画であれば、イグアスの滝の落下は使わなかったんじゃないでしょうか。 たとえば、流れに浮かぶ木の葉が、流れとともに落ちていきます。滝つぼ深く沈んでしまうこともあれば、滔々と流れ続けることもある。マア、二人の現世的関係は、そんなふうに描かれていると、見ているボクにはイメージが語り掛けるのですが、「落下」の計り知れない巨大さを二人が、ともに体験し、「哀しさ」というような言葉では説明しきれないのですが、古い言葉でいう「あはれ」に漂い続けていくリアリティが、別に、ゲイというわけでもないのに残るのですね。 正直、めんどうくさい話だったので、今更、筋は追いませんが、1997年の映画ということもあって、レスリー・チャン(ウィン)もトニー・レオン(ファイ)も若いのです。2020年を超えて、はじめてお二人のお顔を拝見するから、恥ずかしげもなくいえるのですが、そりゃあ、人気があったでしょうね、ボクでもほれぼれしちゃいましたから(笑)。 監督 ウォン・カーウァイ 脚本 ウォン・カーウァイ 撮影 クリストファー・ドイル 美術 ウィリアム・チャン 編集 ウィリアム・チャン キャスト レスリー・チャン(ウィン) トニー・レオン(ファイ) チャン・チェン(チャン) 1997年・96分・G・香港 原題「春光乍洩 」「Happy Together」 日本初公開 1997年9月27日 2022・09・21-no111・シネ・リーブル神戸no169 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.31 22:42:21
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