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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
セルゲイ・ボンダルチュク「戦争と平和 第1部(1965)」元町映画館 2023年が始まりました。年明けの映画館徘徊はこれと決めていましたが、あれこれ事件が起こってしまって1月10日(火)まで動きが取れませんでした。元町映画館で元日からやっていたセルゲイ・ボンダルチュク生誕100周年記念特集ですが、1月10日からが最終回です。駆けつけて、とにかくというか、ようやくというか、見たのがセルゲイ・ボンダルチュク「戦争と平和 第1部アンドレイ」でした。1965年のソビエト映画です。
ナポレオンのヨーロッパ侵攻と、それに揺さぶられるロシアの宮廷のありさまを描いたトルストイの大傑作(たぶん)小説「戦争と平和」の映画化の一つですが、恥ずかしながら原作を読んでいません。 最近では望月哲男訳の光文社新訳文庫版全6巻が2020年に出たばかりですし、新潮文庫では工藤精一郎訳の全4巻、岩波文庫では藤沼貴の改訳版全6巻とか、読む気になれば、まあ、いまでも、書店の新刊の棚にはいろいろ並んでいます。 実はぼくの文庫棚にも米川正夫訳の岩波文庫改版全4巻がですね、はい、あるのはあるのです。もう、10数年昔のことですが、買ってきた時のことも覚えています。枕元に置いて、さあ。読み始めましょうか、というときにチッチキ夫人が一声かけてきました。 「戦争と平和やん。ちょっと見せて。」 差し出すとページを開いて読みはじめました。で、ぼくは寝てしまったわけです。で、数日間、彼女の枕もとに確かにそれはあったのですが、彼女が読み終えて隣の枕もとに返された記憶はありません。 というわけで、ぼくの「戦争と平和」読書は、始まることなく頓挫し、分厚さで他を圧する4冊の岩波文庫は棚に鎮座することになったのでした。 で、映画です。残念ながら期待外れでした。アウステルリッツでの三帝会戦(1805年)という、以前のぼくなら、もうそれだけで興奮するにきまっている歴史的大事件がこの作品の「戦争」の山場なのですが、なんだか間が抜けているのですね。広大な平原に膨大な人が映っていて、それが実写だというのがこの映画が歴史に残った理由の一つだと思うのですが、CG加工の映像に慣れているからでしょうか、残念なことに、なんだか、かったるいのでした。 「平和」の物語はアンドレイとピエールという、二人の若い貴族の、まあ、生き様を中心に展開しますが、なんとなく「ああ、そうですか」という気分で見ていて乗り切れませんでした。ピエールを監督ボンダルチュク自身が演じているというトピックスもあるのですが、ソビエト映画に疎いボクには、これまた、「ああ、そうですか」でした。 なんだかな感想になってしまいましたが、10代の頃、ロシア革命に至る19世紀のヨーロッパに夢中で、一度は西洋史学科に進学した少年だったのですが、きれいにみんな忘れてしまっていることが、実は、一番ショックでした(笑)。 時間の都合もあるので、全4部を完走することはできませんが、でも、まあ、「戦争と平和(第4部)」と「ワーテルロー」は見ようかなという気分で、2023年の「映画初め」を終えました。何はともあれ、今年も、フラフラ、映画館を徘徊し、ベタな感想の日々を続けて行けそうです。この「シマクマ君の日々」にお立ち寄りいただいている皆様、今年も、かわらぬご愛顧、どうかよろしくお願いしますね。 うーん、ちょっと、空振りでしたね(笑)。 監督 セルゲイ・ボンダルチュク 製作 セルゲイ・ボンダルチュク 原作 レオ・トルストイ 脚本 セルゲイ・ボンダルチュク ワシリー・ソロビヨフ 撮影 アナトリー・ペトリツキー アレクサンドル・シェレンコフ イオランダ・チェン・ユーラン 美術 ミハイル・ボグダノフ ゲンナジー・ミャスニコフ 編集 タチアナ・リハチェワ 音楽 バチェスラフ・オフチンニコフ リュドミラ・サベリーエワ(ナターシャ) ビャチェスラフ・チーホノフ(アンドレイ) セルゲイ・ボンダルチュク(ピエール) アナスタシャ・ベルティンスカヤ イリーナ・スコブツェワ ワシリー・ラノボイ 1967年・424分・ソ連 原題「War and Peace」 日本初公開1966年7月23日 2023・01・10-no001・元町映画館no155 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.06.30 22:07:00
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