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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2023.01.26
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​小川糸「サーカスの夜」(新潮文庫)​ 「食堂かたつむり」(ポプラ文庫)が評判で、柴咲コウ主演で映画にまでなったころ、高校の図書館の仕事をしていて、棚に並べるために購入した記憶はありますが、内容は全く知りません。本なんて読まない高校生たちに、そこそこ人気があったせいもあって、ぼく自身はついに手に取って読むことはありませんでした。
​​ 小川糸という名前はその時に覚えました。で、月に一度、読んだ本の感想をしゃべっている「本読み会」という集まりの課題になったこともあって「サーカスの夜に」(新潮文庫)という作品を読みました。​​
​ 僕は今、道なき道を走っている。
 餞別にとおじさんがくれたオンボロ自転車は、大人用だった。自分で望んだことだけど、やっぱり僕の体には大きすぎる。爪先をまっすぐ伸ばさないと、ペダルに足が届かない、茶色く錆びたチェーンからは、ひっきりなしに耳障りな音が響いている。​(P5)​
​ ​​​​​​こんな書き出しです。全部で16章の短編連作風ですが、冒頭の「今」に始まって16章「今」まで、「僕」の体験が、「僕」自身によって、ほぼ、時間の流れに沿って書き綴られている作品です。​​​​​​
​​​​​​ 僕」13歳、本来なら中学1年生になる、多分、春のことです。両親に捨てられて以来、世話になりながら、一緒に暮らしてきてグランマと呼んでいるオバサンの屋根裏部屋から出発して、大人用の自転車に乗って、「道なき道を走って」います。​​​​​​
​​​​​​​​ 「僕」グランマの部屋を出発した理由の一つは、まあ、読みはじめれば、すぐにわかることですからばらしますが、10歳になった時に、ホルモンの分泌が止まり、もう、それ以上大きくならないという体になってしまったことにあります。だから「僕」にとって未来は「道なき道」の先にあって、自転車は大きすぎるのでした。​​​​​​​​
​​​​ で、目的地は、街の番外地で興行しているサーカス小屋です。第2章以降「僕」が綴るのは、たどり着いたサーカス小屋での出会いと体験です。​​​​
​​​ なんだか、この国のそこらあたりの出来事の雰囲気で書き出されているのですが、小説の世界の実際は、体の成長が止まるとか、13歳になって中学校ではなくてサーカスに行くとか、要するに「ここ」ではない「どこか」のお話であって、SFとまでは言いませんが、ファンタジーなのですね。で、まあ、「僕」の成長を語るビルドゥングス・ロマンというわけでした。ここではない場所での成長譚ですから、どこか夢物語というわけでした。​​​
​​​​​​ というのも、「僕」という一人称で書き出されているこの小説の主人公には、実は名前がありません。マア、グランマとかはご存じなのでしょうが、読者は「僕」を知っているだけですし、サーカスの人たちは、彼のことを「少年」と呼んでいます。​​​​​​
​​ 名前のない少年が名前を得ることが「道なき道」の向こうに「道」を見つけるということだというわけでしょうかね?少々、ありきたりな構成が透けて見える気もしますが、この作家の人気の秘密は、実は、そのあたりかもしれませんね(笑)。​​
​​ さて、作品のクライマックスです。「僕」が名前を手に入れて未来への道を歩きはじめる、その瞬間はこうでした。​​
 今だ。
 誰かがぼくの耳元でささやいた。ぼくは、綱雄上に爪先をかける。
 一本の細い綱が鮮やかな虹になるのをジメージした。虹が、ふわりと柔らかく、ボクの体を受け止める。その瞬間、僕は虹の上の××××になる。
 僕は、虹の上をそっと歩く。そしてこれからもずっと、未来を見つめて歩き続ける。
​ ​​​引用中の××××「僕」の新しい名前です。グランマの好きなロシアかどこかのスープの名前のようです。このサーカスの登場人物たちは、皆さん、自分の好きな食べ物で名乗っていらっしゃるわけで、​「僕」​も食べものの名前を手に入れたわけです。
 気になる方は、どうぞ作品に当たってください。この作家のいいところは料理の話が上手なところかもしれませんよ(笑)。​​​


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最終更新日  2023.01.26 00:18:05
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