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カテゴリ:映画 香港・中国・台湾の監督
ロウ・イエ「シャドウプレイ」シネ・リーブル神戸 2023年も、あっという間に2月になりました。早いものです。自分が誰とどんな約束をして、どこに行って、何をしなけばならないのかよくわからないまま日がたっています。 別に、大きなミスをしているわけでもないのですが、なんとなくし忘れたことがあるような気分がわだかっまて不安です。で、2月になって、初めての映画です。あてずっぽうで見た中国映画でしたがあたりでした。 実は有名な方らしいのですが、ぼくには初めての監督ロウ・イエの「シャドウプレイ完全版」です。 昨年、韓国映画で「警官の血」という作品を観ましたがよく似た趣向でした。親子デカ(刑事)ものとでもいうのでしょうか、警官って、親子でなるものなのですかね? それから、題が「シャドウプレイ」なのですが、昔、社会学者の鶴見和子が「影法師の仕事」と名付けて紹介した、イワン・イリイチという人の唱えた「シャドー・ワーク」という概念がありますが、あれは、女性の出産とか、女性に限りませんが家事労働とかのことで、この映画とは関係ありませんが、「影法師の仕事」というところが、かなりジャスト・ミートする感じの作品でした。 映画は広州の再開発を舞台に、悪徳不動産屋ジャン・ツーチョン(チン・ハオ)と組んでやりたい放題だた、政府の役人タン・イージエ(チャン・ソンウェン)殺害事件を捜査するヤン・ジャートン(ジン・ボーラン)という若い警官の姿を描いているのですが、30年前(1980年代、父の事件)と、そして、今、この時(210年代・ヤン刑事自身の事件)との、それぞれの「影法師」の存在をめぐってヤン刑事が苦闘(?)するクライム・ミステリーというかフィルム・ノワールというかの作品でした。 ちょっと困ったのは、二つの時代の映像が、かなり細切れに重ねられて、まあ、字幕に年代は出るのですが、どっちがどっちなのか、最初のうちは全く分からなかったことと、フィルム・ノワールとは云うものの、画面が、終始、暗いこともあって、女性の登場人物の見分けがぼくには出来なかったことですね。 ただ、後半の伏線回収というのでしょうか、謎解きが進むに従って、まあ、そこが狙いなのかどうかよくわかりませんが、2000年代の中国バブルの闇が一人の女に姿を変えて浮き上がってくる描き方が見えてきて感心しました。うまいものですね。 もっとも、この映画でボクが面白かったのは、80年代の老朽アパートの取り壊しと、異様な高層ビルの建設というシーンが最初に出てくるのですが、中華人民共和国、台湾、香港の三つ中国を背景にして現代中国が、実に重層的に描かれていたことでした。 監督ロウ・イエに拍手!でしたね。 大きなお世話ですが、チラシの裏に登場人物たちの系図がのっています。これをこれをしっかりご覧になっておくほうが、迷わなくていいかもしれませんね。 監督 ロウ・イエ 脚本 メイ・フォン チウ・ユージエ マー・インリー 撮影 ジェイク・ポロック 音楽 ヨハン・ヨハンソン ヨナス・コルストロプ キャスト ジン・ボーラン(ヤン・ジャートン) ソン・ジア(リン・ホイ) チン・ハオ(ジャン・ツーチョン) マー・スーチュン(ヌオ) チャン・ソンウェン(タン・イージエ) ミシェル・チェン(リエン・アユン) エディソン・チャン(アレックス) 2018年・129分・中国 原題「風中有朶雨做的云」「The Shadow Play」 2023・02・07-no015シネ・リーブル神戸no172 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.01 16:23:50
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