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鮎川信夫「繋船ホテルの朝の歌」
「戦後代表詩選」(詩の森文庫・思潮社)より(1) 鮎川信夫・大岡信・北川透 編「戦後代表詩選 続 」(詩の森文庫・思潮社)を見つけて、パラパラやり始めて、ハッとしました。 「この詩集は谷川俊太郎で始まって、伊藤比呂美で終わっているけど、戦後代表詩の最初は誰なんだ?」 で、鮎川信夫・大岡信・北川透 編「戦後代表詩選 」(詩の森文庫・思潮社)を見つけ出してきてわかりました。鮎川信夫でした。現代詩文庫「鮎川信夫集」(思潮社)で出合って、「荒地詩集1951」(国文社)で読み直した記憶があります。 鮎川信夫との出会いの記憶はこの言葉でした。 「さようなら、太陽も海も信ずるに足りない」上に引用した「繋船ホテルの朝の歌」と同じ時期に書かれた「死んだ男」という詩に出てくる詩句が印象的で、詩集だけでなく「戦中手記」(思潮社)や評論、翻訳まで、取りつかれたように読みました。彼は1986年にあっけなく亡くなってしまうのですが、そころまで読み続けました。何に惹かれてたのでしょうねえ。国文社が「荒地詩集」を1951年から56年まで、年毎にまとめた形式で出したのが1975年くらいでしたが、なぜか全部揃っていて、ちょっと驚きました。 さわやかな朝の風がこんな一節を書きだして、下宿の四畳半の部屋の天井に貼って眺めていた記憶があります。そういえば、黒い画用紙を天井というか、部屋一面に張り巡らし、「竜馬暗殺」のポスターを1枚だけ、その真ん中に貼った、暗い部屋に閉じこもっていた友人もいました。彼とは、下宿を訪ねたその日に分かれて、それっきりです。生きているのでしょうかね。 ああ、それから、引用した詩句の「頸輪ずれした」という部分は、はじめからありましたかね?ふと気になったんですが(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.10.01 00:51:24
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