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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ナーサ・ニ・キアナン デクラン・マッグラ「ぼくたちの哲学教室」
今、話題の作品です。映画のあとで、倫理社会とか哲学とかの高校の先生とか大学の先生がお話しなさる会なんかも催されて、盛り上がっているようです。ボクは、そういうのは苦手なので、一人で観ましたが、日ごろ出会うことのある大学生の方に、まあ、とりあえず見たらいいんじゃないかと紹介したりしました。 北アイルランドの小学校のドキュメンタリーで、ナーサ・ニ・キアナンという人と デクラン・マッグラという二人が監督だという「ぼくたちの哲学教室」です。 見ながら、揺さぶられるような気持になりました。なにが、どういいのかと問われると、ちょっと困るのですが、「考える」ということをしている子供、しはじめた子供は、なんともいえないいい顔をするということを素直に感じることができたことです。 ドキュメントされている舞台が北アイルランドのベルファストだとか、男子小学校だとか、子どもたちがカメラがあるところで喧嘩を始めるとか、小学校に哲学の時間があるとか、哲学を担当する校長先生が好きなのはプレスリーだとか、面白がるところは満載です。 でもね、なによりも、子どもたちが、例えば「暴力」というようなもっとも根底的な倫理の根っ子を、自分の中に探し始めるんですね。別の言い方をすれば、自分の言葉で自分の意識や頭を自分のものにするということですね。するとね、子供たちの表情が変わるんです。 それは、例えば、学校の校庭や校舎に「やる気・本気・根気」とか「いじめダメ!」とかいう看板を掲げて、子供に見せたり、唱えさせたりすることが当たり前だと思っている社会で暮らしてきた69歳の老人を ドキッ! とさせたんです。 今も紛争のただ中の社会だからとか、考える方法論はとか、まあ、あれこれ理屈を持ち出してわかったつもりになりそうです。でも、ボクたちのまわりに、たとえば、友達に殴り掛かったあと、何故、哀しいのか。何故、楽しくないのか。仲直りするためにどうしたらいいのか。そんなふうに、自分に問いかけている子供がいるでしょうか? それは、ひょっとしたら、たとえば教員だったり父親だったりしたボク自身が、子どもたちのあの表情を忘れてしまっていたからじゃないか? 次から次へと問いが浮かぶ帰り道でした。映画を作った監督と教員の皆さん、校長先生に拍手!でした。そして、誰よりも、考え始めたこもどもたちに拍手!です。 監督 ナーサ・ニ・キアナン デクラン・マッグラ 製作 デビッド・レイン 撮影 ナーサ・ニ・キアナン 編集 フィリップ・ラボエ レト・スタム 音楽 デビッド・ポルトロック キャスト ケビン・マカリービー ジャン・マリー・リール 2021年・102分・G・アイルランド・イギリス・ベルギー・フランス合作 原題「Young Plato」 2023・07・11・no88・元町映画館no189 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.24 10:23:22
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