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カテゴリ:映画「パルシネマ」でお昼寝
パトリス・ルコント「メグレと若い女の死」
三カ月ほど前にシネ・リーブルでポスターを見て思ったったんです。 「そうそう、この探偵、この探偵!この探偵が見たい!」 で、なにを、どう勘違いしたのかリーアム・ニーソンのフィリップ・マーロウを見たのです。で、なんか、勘違いしていることに気づかないまま、その映画のフィリップ・マーロウにも、今一納得がいかないままだったのですが、パルシネマの予定表を見ながら思い出しました。 「こっち!こっち!」 レイモンド・チャンドラーのマーロウにはまっていた40年ほど前、こちらは早川ミステリー文庫だけじゃなくて、河出文庫とかからもたくさん出ていて、読みました。 ジョルジュ・シムノンのメグレです。 身長180cm、体重100kgの大男、常に3本のパイプをいじっているパイプ・フェチ。お酒が好きで、食いしん坊、料理好きの奥さんは名前がルイーズ。たしか娘がいたんですが、幼い頃に亡くなっていて、どことなくなくさみしい二人暮らし。 まあ、そういう男なのですが、名探偵の常で、もちろん、偏屈もの。フランスではテレビドラマの人気者らしいのですが、ポスターの黒い影は、優男のマーロウとちがって、メグレは武骨でデカい、全くの別人なわけで、ボクは一体何を勘違いしていたんでしょうね(笑)。 で、やってきたのがジョルジュ・シムノン原作で監督がパトリス・スコットの新作、「Maigret」でした。邦題は「メグレと若い女の死」です。 納得でした(笑)。ジュール・メグレというベテラン警視のキャラクターを丁寧に描いている印象で、ジェラール・ドパルデューという巨漢の俳優も奥さんのルイーズを演じているアン・ロワレという女優さんもとてもいい味の作品でした。 幼くしてなくした娘さんと、目の前の事件で亡くなったり、田舎から出て来て壊れかけている、二人の若い女性が、武骨なメグレの中で重なっている様子が、実に哀切で優しく伝わってくる物語でした。パイプやビールに対するこだわりや、めんどくさい亭主を愛している奥さんの何気ない言葉もよかったですね。 メグレとルーズの夫婦に拍手!です。で、思ったのですが、この作品の監督は、かなりな手練れですね。テンポと人物描写が自然でリアルでした。拍手!ですね。 で、この日パルシネマで見たもう一本が「幻滅」というフランス映画だったのですが、その映画にジェラール・ドパルデューという俳優さんは出ていらっしゃったんですね。帰り道で、チラシやネットをいじりながらようやく気付くという迂闊さなのですが、イヤ、ホント、役者というのはやるもんですねえ。思えば、「幻滅」でもいいお芝居をしていらっしゃったんですが、、まあ、当たり前すぎるバカなことをいいますが、全く別人でした(笑)。 それから拍手したパトリス・ルコントという監督さん、「仕立て屋の恋」という作品で有名らしいのですが、ずーっと昔に見たことがあるような気がするのですが、気になります。 で、パルシネマは「夜パル」とかいう、終わるのが午後10時を過ぎるプログラムで、その映画をやっているんですね。最近、そういう夜遊びが億劫なので、決心がつかないのですが、たぶん、見るんじゃないかと思いますが、どうなることやらですね(笑)。 監督 パトリス・ルコント 製作 ジャン=ルイ・リビ 原作 ジョルジュ・シムノン 脚本 パトリス・ルコント ジェローム・トネール 撮影 イブ・アンジェロ 美術 ロイック・シャバノン 衣装 アニー・ペリエ 編集 ジョエル・アッシュ 音楽 ブリュノ・クーレ キャスト ジェラール・ドパルデュー(メグレ) アン・ロワレ(メグレの妻) クララ・アントゥーン(ルイーズ・ルヴィエール:死体の女性) ジャド・ラベスト(ベティ:万引きの女性) ピエール・モウレ(ローラン:ヴァロア夫人の息子) メラニー・ベルニエ(ジャニーヌ:ローランの婚約者) オーロール・クレマン(ヴァロア夫人) アンドレ・ウィルム(老人) エルベ・ピエール(解剖医) ベルトラン・ポンセ(メグレの主治医) エリザベート・ブールジーヌ(ダレスのレンタル屋) フィリップ・ドゥ・ジャネラン(裁判官) 2022年・89分・G・フランス 原題「Maigret」 2023・07・26・no96・パルシネマno62 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.01 00:29:33
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