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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ジョン・カサヴェテス「ハズバンズ」元町映画館
ジョン・カサヴェテス監督の特集に通った2023年の8月でしたが、最後はもう一つの特集、「ジョン・カサヴェテス×ジョナサン・デミ」という特集でやっていた「ハズバンズ」という作品でした。1970年に作られた映画のようです。朝一番ではありません(笑)。 中年の男性4人の友情物語でした。まあ、それにしても、1970年代の男性たちの「女性観」にはあきれましたね。それぞれ仕事もあり、家庭も持っている3人の中年男、ハリー(ベン・ギャザラ)、ガス(ピーター・フォーク)、そしてアーチー(ジョン・カサヴェテス)が、突然亡くなった親友スチュワート(デイヴィッド・ローランズ)の葬儀に集まります。そこから始まったのが、酒場でのバカ騒ぎから、果ては、なんと、アメリカからロンドンにまで繰り出しての「女漁り(?)」の旅でした。親友を失った悲しみとか、人生が終わりに差し掛かっていることを実感した不安とか、まあ、いろいろあるんでしょうがねえ。なんで、そうなるの? 2023年に69歳の老人が、まあ、眉をひそめて、そういってしまうしかない展開が1970年なのでしょうかね。 面白いシーンは、しこたまあるのですが、男性の描き方には、1950年代、60年代の西部劇的なアメリカン・マッチョ(?)な空気が充満していて、まあ、だから、映画に登場する人物たちの「子供っぽさ」が面白いのですが、 チョット、うんざりでしたね。 映画というメディアの大衆性を考えたり、ジョン・カサヴェテスという監督の面白さとかを評価したりする場合には、忘れてはならない作品だと思いましたね。 ちょっと余談ですが、ボクが大学に入ったのは1974年くらいだったと思いますが、全共闘が敗北したキャンパスには「~解放研究会」が跋扈(まあ、「跋扈」では言葉は、すこし大袈裟ですが)していた時代で、個々の学生の、学生ゆえの特権に加えて、普通だという無意識に付着した「差別性」が、かなり、ナイーブに問われた時代でした。 「あんた、それは、~に対する差別ちゃうか?!」 まあ、そういう自他に対する問いかけが始まった時代だった気がしますが、そのころから、ほぼ、50年の歳月がたちました。「~」に代入すべき項目は増えたのですが、ある種マニュアル化が進行した結果でしょうか、現代の社会意識の愚劣さ(「ヨメが」とか口にするバカ男が充満しているでしょ)は、当時の比ではないと感じますが、この映画を見ながら、まあ、世の中というのは、あんまり進歩とかしないものだと、ちょっとアホらしくなりましたね(笑)。 監督 ジョン・カサヴェテス 脚本 ジョン・カサヴェテス 音楽 スタンリー・ウィルソン 撮影 ヴィクター・ケンパー 編集 ピーター・タナー キャスト ベン・ギャザラ(ハリー) ピーター・フォーク(アーチー・ブラック) ジョン・カサヴェテス(ガス・デメトリ:歯科医) デイヴィッド・ローランズ(スチュワート:死亡) ジェニー・ラナカー(メアリー・タイナン: ガスがナンパした大柄の女性) ジェニー・リー・ライト(パール・ビリンガム :ハリーがナンパした女性) ノエル・カオ(ジュリー:アーチーの相手をした東洋人女性) ジョン・クラーズ(レッド) メタ・ショウ(アニー:ハリーの妻) レオラ - レオラ・ハーロウ(レオラ) 1970年・142分・アメリカ 原題「Husbands」 2023・08・30・no111・元町映画館no201 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.20 01:33:55
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