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カテゴリ:映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」109シネマズハット マーティン・スコセッシという監督は、1942年生まれで、今年、80歳だそうです。まだ30代だった1970年代に「ミーン・ストリート」(1973年)、「アリスの恋」(1974年)、「タクシー・ドライバー」(1976年)という3作で、但馬の田舎から神戸に出てきて、大学には入ったものの、することがなくてボーっとしていた20歳になったばかりの青年を映画狂いの落第生に変貌させた監督、まあ、複数いますがその一人です。
あれから、50年ほどたちました。スコセッシは80歳、映画狂いで身を持ち崩しそうだった青年は69歳、監督が映画の世界に連れてきて、今や、世界的大スターになった名優ロバート・デ・二―ロは79歳です。で、69歳の老人はあのころ目を瞠った二人が映画を撮ったというわけですから、見に行かないわけにはいきません。三連休の初日ですが、109ハットの朝一番のプログラム(まあ、10時45分でしたが)(笑)をものともせず出かけましたよ。マーティン・スコセッシ監督の3時間を超える大作(?)「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」です。 2人は5年前だったかに「アイリッシュマン」という、アル・パチーノとデ・ニーロの老優共演で、なかなか渋い作品が公開されましたが、今回はアル・パチーノではなくて、レオナルド・ディカプリオが主役で、大根デカプリオと芸達者ロバート・デ・ニーロの演技合戦でした。 ことに、デカプリオ君は、汚名返上の百面相演技ともいうべき、気合の入り方で、こういう演技のお好きな方には見逃せないシーン満載ですし、齢79歳とは、とても思えないデ・ニーロは、期待通り、正体不明のお芝居が炸裂しているデニーロでした。というわけで、206分という 長尺映画、なんのその! といいたいところですが、ちょっと空振りでしたね(笑)。見ながら、普段は決して見ない腕時計の灯りをこっそりつけて、3度も見ました。 1920年代のアメリカ西部です。ゴールド・ラッシュとか、インディアンとの戦いとかいう話の時代から、100年ほどたっています。第1次世界大戦が終わった直後、新しく降って湧いたように起こったオイル・ダラー騒ぎのオクラホマが舞台でした。 大雑把に言えば、偶然、棲んでいた土地から石油が湧き出して、大金持ちになったネイティヴ・アメリカンたちを いかに毟るか!と陰謀をめぐらす白人男と、渦中にあって、陰謀にも加担しながら、どこまでも「善き人」でしかありえない、もう一人の白人男の戦い(?)でしたが、長い映画の終盤に至って、映画が語ってきた、一連の迷宮入り殺人事件の解明が、あの、悪名高いフーヴァーのFBIの誕生秘話のテレビ番組として語られるという、まあ、1920年という時代、歴史を背景にした入れ子型の物語だったことが明かされるわけですが、そういう映画の構成も登場人物たちの演技も、面白いといえば面白いのですが、古いといば古いわけで、ボクの頭にわいてきた感想はただ一言 「ああ、スコセッシも年をとったなあ・・・・。」 でした(笑)。 映画がFBIの手柄噺の宣伝のための映像だったということは、さすがにわかりませんでしたが、デ・ニーロとデカプリオの出会いのシーンから始まる物語の結末に至るまで、プロット、プロットで、次に何が起こるのか、なんとなく予想できてしまうという不思議な展開でした。だから、ギョッとしてすくむというか、アッと驚きの声を上げるというかがないのですよね。善人を演じているデ・ニーロなんて、はなから信用しない目で見ているからかもしれません。ひょっとすると、デ・ニーロがそういう演技をしていたんじゃないかとも思ったりもしながらなわけですからそうなったのかもしれませんが。 「タクシー・ドライバー」でギョッとしたあの時から、50年ですね。ますます年の功を感じさせるデ・ニーロを見ながら、なんとなくあきたらなく思うのはないものネダリなのでしょうかね(笑)。 でも、まあ、デカプリオ君とデ・ニーロさんには拍手!ですね。マーティン・スコセッシ監督も、これでオシマイとかいわず撮り続けてほしい気持ちを込めて拍手!でした(笑)。 監督 マーティン・スコセッシ 原作 デビッド・グラン 脚本 エリック・ロス マーティン・スコセッシ 撮影 ロドリゴ・プリエト 美術 ジャック・フィスク 衣装 ジャクリーン・ウェスト 編集 セルマ・スクーンメイカー 音楽 ロビー・ロバートソン キャスト レオナルド・ディカプリオ(アーネスト・バークハート) リリー・グラッドストーン(モーリー・カイル) ジェシー・プレモンス(トム・ホワイト) ロバート・デ・ニーロ(ウィリアム・“キング”・ヘイル) タントゥー・カーディナル(リジー) カーラ・ジェイド・マイヤーズ(アンナ) ジャネー・コリンズ(レタ) ジリアン・ディオン(ミニー) 2023年・206分・PG12・アメリカ 原題「Killers of the Flower Moon」 2023・11・03-no134・109シネマズハット34 ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.04 17:22:37
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