1719311 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゴジラ老人シマクマ君の日々

ゴジラ老人シマクマ君の日々

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

シマクマ君

シマクマ君

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

読書案内「日本語・教育」

(21)

週刊マンガ便「コミック」

(84)

演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝

(35)

徘徊日記「日帰りでお出かけ」

(62)

演劇「劇場」でお昼寝

(2)

映画「元町映画館」でお昼寝

(93)

映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝

(26)

映画「シネリーブル神戸」でお昼寝

(90)

読書案内「映画館で出会った本」

(18)

読書案内「翻訳小説・詩・他」

(53)

読書案内「漱石・鴎外・露伴・龍之介・百閒・その他」

(23)

徘徊日記「垂水・舞子・明石」あたり

(53)

読書案内 「医者や科学者の仕事、まあ科学一般」

(27)

読書案内「現代の作家」

(100)

徘徊日記「お泊りでお出かけ」

(68)

徘徊日記「神戸・元町・三宮」あたり

(85)

読書案内「絵本・児童文学」=チビラ君たちへ

(48)

読書案内「社会・歴史・哲学・思想」

(77)

読書案内 「芸術:音楽・美術・写真・装幀 他」

(31)

読書案内「近・現代詩歌」

(54)

徘徊「港めぐり」

(4)

バカ猫 百態

(22)

読書案内「橋本治・加藤典洋・内田樹・高橋源一郎・他」

(18)

読書案内「水俣・沖縄・アフガニスタン 石牟礼道子・渡辺京二・中村哲 他」

(20)

読書案内「鶴見俊輔・黒川創・岡部伊都子・小田実 べ平連・思想の科学あたり」

(15)

映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

(2)

映画「こたつシネマ」でお昼寝

(13)

映画「パルシネマ」でお昼寝

(30)

読書案内「昭和の文学」

(25)

読書案内「BookCoverChallenge」2020・05

(16)

読書案内「くいしんぼう」

(9)

映画「Cinema Kobe」でお昼寝

(5)

週刊マンガ便「ちばてつや・ちばあきお」

(9)

週刊マンガ便「石塚真一・浦沢直樹・ハロルド作石」

(34)

週刊マンガ便「鈴ノ木ユウ・野田サトル」

(19)

ベランダだより

(151)

徘徊日記 団地界隈

(112)

徘徊日記 兵庫区・長田区あたり

(26)

徘徊日記 須磨区あたり

(30)

徘徊日記 西区・北区あたり

(10)

徘徊日記 灘区・東灘区あたり

(41)

徘徊日記 美術館・博物館・Etc

(5)

週刊マンガ便「吉田秋生・高野文子・やまだ紫」

(7)

徘徊日記 芦屋・西宮あたり

(11)

読書案内「大江健三郎・司修・井上ひさし・開高健 他」

(14)

読書案内「古井由吉・後藤明生・他 内向の世代あたり」

(3)

読書案内「谷川俊太郎・茨木のり子・大岡信 あたり」

(19)

読書案内「啄木・白秋・晶子 あたり」

(4)

読書案内「丸谷才一・和田誠・池澤夏樹」

(11)

読書案内「吉本隆明・鮎川信夫・黒田三郎・荒地あたり」

(13)

週刊マンガ便 「松本大洋」・「山川直人」

(13)

読書案内「リービ英雄・多和田葉子・カズオイシグロ」国境を越えて

(5)

読書案内「村上春樹・川上未映子」

(13)

映画 パレスチナ・中東の監督

(6)

読書案内「近代詩 賢治・中也・光太郎 あたり」

(7)

映画 韓国の監督

(25)

映画 香港・中国・台湾の監督

(37)

映画 アニメーション

(13)

映画 日本の監督 ア行・カ行・サ行 是枝・黒沢

(53)

映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭

(26)

映画 日本の監督 マ行・ヤ行・ラ行・ワ行

(16)

映画 イギリス・アイルランド・アイスランドの監督

(41)

映画 イタリアの監督

(21)

映画 ドイツ・ポーランド他の監督

(25)

映画 ソビエト・ロシアの監督

(11)

映画 アメリカの監督

(99)

震災をめぐって 東北・神戸・原発

(3)

読書案内「旅行・冒険」

(4)

読書案内「本・読書・書評・図書館・古本屋」

(13)

映画 オーストラリア・ニュージーランドの監督

(5)

映画 フランスの監督

(49)

映画 スペイン・ポルトガルの監督

(10)

映画 カナダの監督

(5)

映画 グルジア(ジョージア)の監督

(15)

映画 ウクライナ・リトアニアの監督

(7)

映画 イスラエルの監督

(3)

映画 マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、スロベニアの監督

(6)

映画 オランダ・デンマーク・ベルギーの監督

(10)

映画 フィンランド・スウェーデン・ノルウェイの監督

(6)

映画 トルコ・イラン・カザフスタンあたりの映画監督

(12)

映画 ギリシアの監督

(3)

映画 アルゼンチン・ブラジル・ペルー・チリの監督

(6)

映画 ハンガリー・ルーマニアの監督

(5)

映画 アフリカの監督

(3)

映画 スイス・オーストリアの監督

(3)

読書案内 戯曲 シナリオ 劇作家

(1)

読書案内 ジブリの本とマンガ

(5)

週刊マンガ便「小林まこと」

(9)

読書案内「野口武彦・前田愛・橋川文三・藤井貞和」

(2)

映画 インド・ネパール・ブータン・アフガニスタン・タイ・ベトナム あたりの監督

(5)

週刊マンガ便 キングダム 原泰久・佐藤信介

(17)

読書案内「川上弘美・小川洋子・佐伯一麦」

(9)

読書案内「立花隆・松岡正剛」

(5)

日記/記事の投稿

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2023.11.07
XML
​​​照井翠「龍宮」(コールサック社)​
 ​​​​池澤夏樹​​「いつだって読むのは目の前の1冊なのだ」(作品社)という書評集に教えられた1冊です。まあ、そうは言うものの、実はかなり以前から照井翠という方の「龍宮」という句集が存在し、次のような句が読まれていることは、何というか、風の便りで知っていました。​​​​
​​喪へばうしなふほどに降る雪よ
春の星こんなに人が死んだのか
なぜ生きるこれだけ神に叱られて
寒昴たれも誰かのただひとり
​ ​いかがですか​。下にも、もう少し引用しましたが、これらの句を紹介しながら、池澤夏樹はこの句集との出会いをこういいます。​
感情を揺すぶられてどうしようもなくなった。人はたった十七文字を前にして取り乱すこともあるのだと知った。(P207)
​ ボクはボクで、そういう句集があると知りながら、なんとなく遠ざけていたのは、こんな句があることを知っていたからかもしれません。
​​​​毛布被り孤島となりて泣きにけり​​
​​​ ​​もう、ボンヤリした記憶なのですが、1995年神戸の、どこかの体育館で見たことのある光景だと思いました。アスファルトが陥没して地下鉄の線路が見えていたり、町全体が傾いていたり、石の鳥居が真ん中でおれていたりした光景が一緒に浮かんできて、なんとなく、しんどいなと思ったんですね。​​
​ でも、池澤夏樹の解説というか紹介を読みながら、まあ、そうはいっても読んでみるかとなったわけです。
 文学に携わる者として、あのような出来事を文学はどうやって作品化するのかずっと考えてきた。自分も含めてたくさんの文学者が三・一一と格闘している。恐怖と戦慄・激情・喪失感、はたまた時を経た後でもまだ残る喪失感と悲哀の思いは文字にできるのか。協調の副詞ばかりをハデに立てても遠くの者には伝わらない。余る思いを容れるにはしかるべき器が要る。
 それが、この人の場合は俳句だった。
 ボクが​​​​​​​​​手に入れたのは照井翠 句集 新装版「龍宮」(コールサック社)という文庫版で、2021年に出版された本です。池澤が紹介しているのは2012年角川書店版のはずです。で、角川版にも載せられている、照井翠自身の「あとがき」に、こんな一節がありました。​​​​​​​
 てらてら光る津波泥や潮の腐乱臭。近所の知人の家の二階に車や舟が刺さっている、消防自動車が二台積み重なっている、泥塗れのグランドピアノが道を塞いでいる、赤ん坊の写真が泥に張り付いている、身長の三倍はある瓦礫の山をいくつか乗り越えるとそこが私のアパートだ。泥の中に玉葱がいくつか埋まっている。避難所にいる数百人のうな垂れた姿が頭をよぎる。その泥塗れの玉葱を拾う。避難所の今晩の汁に刻み入れよう。
 戦争よりひどいと呟きながら歩き廻る老人。排水溝など様々な溝や穴から亡骸が引き上げられる。赤子を抱き胎児の形の母親、瓦礫から這い出ようともがく形の亡骸、木に刺さり折れ曲がった亡骸、泥人形のごとく運ばれていく亡骸、もはや人間の形をとどめていない亡骸。これは夢なのか?この世に神はいないのか?(P249~250)
​​​​​ 照井翠自身が釜石で被災し、三日目の話です。句集にはその体験を彷彿とさせる句が並んでいます。池澤夏樹「どうしようおなくなった」作品群です。​​​​
 ボクは、ボクで、湧き上がってくるなんともいえないなにかと格闘する羽目になりました。某所に座り込みながら、文庫本の句集相手に涙をこらえるなんて、まあ、チョット想像できない事態です。​
冥途にて咲け泥中のしら梅よ
脈うたぬ乳房を赤子含みをり
双子なら同じ死顔桃の花
卒業す泉下にはいと返事して
ひとりまたひとり加わる卒業歌
初蛍やうやく逢ひに来てくれた
灯を消して魂わだつみへ帰しけり
柿ばかり灯れる村となりにけり
廃校の校歌に海を讃えけり
節分や生きて息濃き鬼の面

半眼に雛を並べゆく狂女
虹忽とうねり龍宮行きの舟
朝の虹さうやつてまたゐなくなる
​​​​ 被災から、ほぼ1年半の間に詠まれた二百句ほどの句が載せられています。ある種の直接性というか、いきなり突き刺さってくるなにかを、何とか受け止めようと踏ん張りながらの読書(?)ですね。詠んでいるご本人も大変だったでしょうね。
​​ ちなみに文庫版には、池澤夏樹の​「いつだって・・・」の​​​全文と、​​
​「照井さんは今、俳句によってかろうじて人間界とつながっているが、もはや鯛やヒラメは寄せ付けない、一匹の龍なのだ。」​
 ​と結んでいる玄侑宗久の解説も載っています。​​​
​​​​​​​​​​​​​​​​
​​


PVアクセスランキング にほんブログ村


にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ


にほんブログ村 本ブログへ






ゴジラブログ - にほんブログ村​​

​​​​​​​​​​​​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.11.08 23:33:43
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X