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カテゴリ:映画「パルシネマ」でお昼寝
クリスチャン・カリオン「パリタクシー」パルシネマ パルシネマのタクシー映画二本立ての二本目でした。もう1本がジャームッシュ監督の「ナイト・オン・ザ・プラネット」で、それを見たあとに続けてみたものですから、なんとなく「つづき」というか、もう1本、パリを舞台にしたジャームッシュを見ているような、変な気分で見始めました。
何というか、見終えての比較でいえば、ジャームッシュの才気あふれる作品に並べられると、カリオンという監督が、いかにも素直というか、素朴なのですが、チョット見劣りする気がしました。しかし、才気や新しさは感じませんでしたが、とても後味のいい作品でした。一人ぼっちの老婦人とうだつの上がらない中年男の出会いと別れのお話でしたが、かなり好感を持ちました。 90歳をこえた一人暮らしのマドレーヌさん(リーヌ・ルノー)が、いよいよ一人暮らしをあきらめなければならない境遇になって、老人介護施設にお引っ越しという、その日、タクシーを呼びます。呼ばれてやって来たタクシーの運っちゃんシャルル(ダニー・ブーン)は、金欠と免停、ついでに家庭の危機のなかで、イライラの絶頂です。不機嫌な老婦人と、これまた、不機嫌な中年男との出合いで始まる映画でした。 まあ、 どうなることか?で始めて、 メデタシ!メデタシ! で終わる定型なのですが、結局、このお二人、リーヌ・ルノーという人も、ダニー・ブーンという人もフランスでは誰でも知っている歌い手さんとコメディアンらしいのですが、このお二人の雰囲気がいいのですね。とてもいい後味で見終えました。 90年という、波乱万丈とはいえ、堂々たるとはいえ、始まりから今日まで、文字通り孤独な人生を、文字通り一人で歩いてきた女性が、しがないタクシー運転手に心を開く機微が、パリ名所見物というべき風景を時間旅行の様に通り抜けながら、他人同士が背を向けて座っている狭い車内で、視線の演技として繰り広げられていく二人芝居でした。 人が人と出会うことの暖かさを、素直に描いていて、お二人に拍手!でした。 まあ、好き好きですが、こういう話、ボクは好きですね(笑)。 監督 クリスチャン・カリオン 脚本 シリル・ジェリー クリスチャン・カリオン 撮影 ピエール・コットロー 編集 ロイック・ラレマン 音楽 フィリップ・ロンビ キャスト リーヌ・ルノー(マドレーヌ) ダニー・ブーン(シャルル) アリス・イザーズ ジェレミー・ラユルト グウェンドリーヌ・アモン 2022年・91分・G・フランス 原題「Une belle course」 2023・11・07・no138・パルシネマno71 ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.02 23:46:51
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