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カテゴリ:読書案内「近・現代詩歌」
長谷川櫂「震災歌集」(中央公論新社) 今日の案内は俳人として知られている長谷川櫂の「震災歌集」(中央公論新社)という短歌集です。くりかえしになりますが長谷川櫂は俳人として知られている人ですが、これは短歌集です。そのあたりの事情が「はじめに」の中にこう記されています。
はじめに ボクはこの歌集の存在を池澤夏樹の「いつだって読むのは目の前の1冊なのだ」(作品社)の2017年4月20日の日記の紹介で知りました。 人々の嘆きみちみつるみちのくを心してゆけ桜前線という1首を引き、池澤夏樹はこういっています。 あの春、ぼくは長谷川櫂のこの歌を知らなかった。六年後の今になって出会って、また別の思いを抱く。「心してゆけ」という自然現象への命令が後鳥羽院の「我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け」を引き出す。自然に命令してそれが叶えばどんないいいことだろう。 ぼくが、この歌集と出会ったのは2023年の秋です。数えてみると東北の震災から12年たっていました。一首づつ読み進めてるボクの中に呼び起こされたのは1995年、1月17日の早朝に始まったあの記憶でした。あれからボクには、生きているということは信じられないと呟くしかないような出来事に出会うことだという思いがありますが、その思いを揺さぶるかのように記されている歌の中から10首選びました。 二〇一一年三月十一日 長谷川櫂には「震災句集」もあるようです。読むことができたときには、また案内したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.11 01:02:36
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