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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2024.03.15
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​​小林且弥「水平線」元町映画館
​​ 映画を見た帰り道で、やっと気づいたのですが、今日は3月11日でしたね。今日見た映画は小林且也という、多分、若い監督の「水平線」という映画は、意図したわけではありませんが、震災後の福島を舞台にした作品でした。題名を見ながら、​​
​どんな水平線を見せてくれるのかな?​​
 ​何となくですが、そんな期待を持って元町映画館にやって来ました。​
福島県のとある港町。
震災で妻を失った井口真吾(ピエール瀧)は、故人で散骨業を営みながら一人娘と暮らす日々。

​​​​​​​​​​​ ​チラシにそうあります。ボクは見る前にチラシとか読みませんから、主人公と、娘が一人という、その家族の事情は知らずに見ていましたが、見ていればわかります。
 主人公が、なぜ、福島の海辺の町散骨を仕事にしているのかという問いが、見ているボクの中に湧きあがってきましたが、最後のシーンで、納得がいきました。

​​彼は、きっと、生きていることがつらいのです。​​

​​​​​ 明日、海に撒きに行く骨を砕く井口真吾の後ろ姿には説得力がありました。ピエール瀧という人は、いい役者だなと、素直に思いました。拍手!
​ ​​​​​​チラシの裏にあるこのシーンです。
 しかし、まあ、なんというか、このシーンを思い浮かべながら思うのですが、主人公の存在の背景として、いかにも現代的な、ひょっとしたら陳腐でさえある社会事象を次から次へと、なぜ描いたのでしょうかね。
 論旨そのものがインチキなジャーナリストの、カメラを振り回す、まあ、あり得ない取材ぶりや、風評被害を叫ぶ漁協の青年の姿には、

この後ろ姿に拮抗する内面性が決定的に欠けているのではないでしょうか。​

 一緒に生きてきたはずの、一人娘の描きかた、演じさせ方もしかりですね。​​​​​​​
​​​​​​​​​​​​ 「海を汚す」というセリフが出てくるのですが、今、陸地でなくなる人の遺骨を海に撒くという行為の、描かれている​主人公の生きづらさを考えれば浮かんでくる

​​深さ!​​

​​​ まあ、散骨という弔いかたの歴史性や社会性と一般化まではせずとも、福島の海でそれをするということについてどのあたりまでを射程に入れた作品なのか、最初に、監督のことを「若い」といいましたが、老人の目には、そのあたりの​​​

​浅さ​

​​​ が気に掛かるのですね。せっかく「水平線」なんていう、時間的にも、空間的にも、遠く、広いイメージの、とてもいい題名なのに、ちょっともったいない気がしました(笑)。期待した水平線のシーンには出逢えなくて、ザンネンでしたよ(笑)。
 最後になりましたが、SCC第19回の例会でした。いや、ホント、よかったねえと素直にいえる作品に、ほんとに当たりませんね。 ​​​​​​​​​​​​​​

監督 小林且弥
脚本 齋藤孝
撮影 渡邉寿岳
録音 加唐学 小山海太
音楽 海田庄吾
キャスト
ピエール瀧(井口真吾 散骨業者)
栗林藍希(奈生 娘)
足立智充
内田慈
押田岳
円井わん
高橋良輔
清水優
遊屋慎太郎
大方斐紗子
大堀こういち
渡辺哲
2023年・119分・G・日本
2024・03・11・no041・no231・SCCno19
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

 追記
 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天ID
をお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​


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最終更新日  2024.05.21 14:34:14
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