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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ホウ・シャオシェン「ミレニアム・マンボ」元町映画館 2年ほど前のことですが、なんとなく、図書館の棚で見つけた「侯孝賢の映画講義」(みすず書房)という本を読みました。ホウ・シャオシェン(侯孝賢)という監督が活躍した時代、香港、台湾、そして韓国の映画が映画館に掛かる様になった時代に、ほぼ、映画を見ていないということもあって、名前も知らなかったその監督が、いったいどんな作品を撮っていたのだろうという関心ばかり膨れ上がっていましたが、今年、2024年の3月の元町映画館のプログラムを見て、
「あっ!侯孝賢や!」 そう思って駆け付けました。 見たのは侯孝賢監督の2001年の作品「ミレニアム・マンボ」、原題が「千禧曼波」という作品でした。 見終えて、座り込んでいて、最初のシーンが浮かんできました。 渡り廊下というか、ビルからビルへの、屋根付きの歩道橋というか、女性がタバコをくわえて歩いているのですが、どこにたどりつくのか・・・。 で、映画が、たどり着いたのはどこだったのか。 「これって、何年の映画ですか?」見終えて、ようやく立ち上がって、出てきた受付で答えてくれたのは映写係のお兄さんでしたが、エンドロールを見ながら、ボクの頭の中に渦巻いていたというか、ワラワラと浮かんできていたのは 「そのころボクは何をしていたんだっけ?」 という、ボク自身の頭の中にあるはずなのに、時も、場所も、あまり定かではない記憶というか、思い出というかを、浮かんでくるボンヤリしたシーンを何となく手探りで探しながら で、どうしてあなたは、今日、こうして映画館とかに座り込んでいるの? と問いかけられるような、そんな気分で、思わず尋ねたわけです。 まあ、そういう映画でしたね。 見事なものです。繰り返されるくらい部屋や酒場のシーンが、何を描こうとしているのか、判然とするわけでもないし、これといった筋立てがあるわけでもないのですが、今日のボクを揺さぶったことは間違いないですね。不思議な映画でした(笑)。 侯孝賢に拍手!ですね。 映画が、スーチーさんが演じるビッキーさんの生きてきた記憶の映像を重ねるように、繰り返し、コラージュしていているような気がしたのですが、映像にはビッキーさん自身もあらわれるのですね。自分自身の記憶なら、彼女の姿はあらわれないのじゃないか、そんな、疑問も浮かぶんです。で、生きているビッキーさんを追いかけて、これを撮っているのは誰なんだろうという、考えても仕方がないようなことを、見終えて数日たった今も考えています。 追記 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.29 11:56:12
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