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養老孟司×名越康文「二ホンという病」(日刊現代・講談社) 市民図書館の新刊の棚にありました。養老孟司と名越康文、元解剖学者と精神科医、まあ、お二人ともお医者さんですね、だから、まあ、「二ホンという病」ということになったんだろうと思います(笑)。名越という方の文章を読むのは、初めてですが、養老孟司は「バカの壁」(新潮新書)でバカ受けする、はるか以前からのファンです。
ボクにとっては、おしゃることが、まあ、最近、そういう方は減ってしまいましたが、その数少ない、信用できる方のお一人ですね。 というわけで、借り出してきて、なんだか、すらすら読み終えて、やっぱり、ありましたね。 養老 僕はなんだか、日本の原題を象徴しているのが、凶弾に倒れた中村哲さんという人をどう評価するかってことだと思う。まったくないんですよ。沈黙になってしまっている。 まあ、二ホンという社会の「病」の話ですから、ここからは、いや、ここまでも、思想抜きのアホ政治、いつの頃からの流行か忘れましたが「リアル・ポリティクス」とかいう言葉が作り出した「現実」の「病」の指摘ですね。問題は 思想抜きってどういうこと? ですが、そこは、この対談だけ読んでも、多分すぐにはわかりませんね。要するに普遍的に判断する基本がないってことですが、そこを考え始める本かもですね。 日刊ゲンダイという夕刊紙の連載対談ということもあって、コロナとかウクライナとか、話題は多岐に広がっていますが、こういう発言がポロリと出てくるとホッとしますね。 で、もう1か所、最後のコラムでこんなことをおっしゃっていて、笑いました。 日本の喫煙所はね、絶対にたばこを吸わない人考えたんですよ。あんな閉鎖的なところで吸ってもちっともおいしくない。東京に出ているときにね、たばこのことを考えるとすぐに家に帰りたくなりますよ。家では好きな時に吸えますからね。そう言えば、「丸」が生きていた時、あいつの前で吸っていても大目に見てくれていましたね(笑)。(「コラム②タバコと価値観」P204 ) 世の中に、ちょっと、イラっとすることがあるけど、 まあ、木から落ちてくる虫や、道端の花の世界に取り合っている方がいいや! とか、 どうせ、おれは喫煙者だし・・・というタイプの人向けの本ですね。でも、考え始める気があるなら、ヒントは山盛りです。さすがですね(笑)。
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最終更新日
2024.06.09 14:18:00
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