筒井功「縄文語への道」(河出書房新社) 市民図書館の新入荷の棚で見つけたのが、ほぼ半年前のことで、「縄文語?そんな時代に言葉があったのか?いや、縄文人だって・・・。」
まあ、そういう、なんだこれ?
で借り出して、どなたも予約をお入れにならないのをいいことに、半年がかり、繰り返し借り出して、ようやく読み終えました(笑)。
著者の筒井功さんは1944年生まれ、元々は共同通信とかの記者をなさっていた方のようですが、78歳の民俗学者です。 本書は、一好事家による地名論である。内容には結構ややこしいところがあり、どれだけの方に迎えられるか疑わしい。
「おわりに」に記された著者自身のことばですが、「はい、結構ややこしかったですが、「アオ」から始まって、朝鮮古語、アイヌ語、琉球語へと進んでいく調査と推理はなかなかスリリングんで、手間はかかりましたが面白く読み終えましたよ。地名を追いかけて、いやー、大変な努力というか、さすが民俗学、旅の記録でしたね。」
というのが、ボクの感想でした(笑)。
筒井さんによれば、アオ(青)、アワ(淡)、クシ(串、櫛)、ミ(三)、ミミ(耳)の五語は確実に縄文語である
らしいのですが、特に、アオ(青)を追った第1章から第3章が面白いですね。
文字記録のない縄文時代の「ことば」が、いかに「地名」に残されていったか!
という論旨にはかなりな説得力を感じましたが、いかがでしょうね。
一応、目次をあげておきます。
目次
第1章 青木、青島と縄文時代の葬地
第2章 弥生・古墳時代の葬地とアオ地名
第3章 青島を訪ねて
第4章 「クシ」の語には岬の意味がある
第5章 縄文時代に列島へ渡来した民族の言葉だった
第6章 クシと家船と蛋民
第7章 「耳」は、なぜ尊称とされていたか
第8章 ミ(御)の語源は数詞の「三」である
第9章 縄文語の輪郭
追記
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