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カテゴリ:読書案内「社会・歴史・哲学・思想」
原武史「最終列車」(講談社) 毎日のように電車に乗って出かけています。
「ひょっとしたら、そっちの方がお得なのではないか?!」 まあ、そんなことを思いついて、2024年の4月に最寄りの垂水駅から元町駅まで通勤定期を購入した結果です。半分は面白がりのなせる業なのですが、決まった勤め先もなくなって10年近く経つサンデー毎日の暮らしで、雨とか降るとお出かけの意欲が失せる老人が、定期券を「お得」を目的に利用するのは、思いのほか難行です。 で、ここのところ、その、お得実践のための電車の中で読んでいるのが原武史の「最終列車」(講談社)です。乗り物に乗るから乗り物の本というわけではありません。原武史は、まあ、ユニークな「天皇論」で人気のある政治学者ですが、鉄道マニアとしても、たとえば、「鉄道ひとつばなし」(講談社現代新書)が1~3のシリーズで出ているように、かなりな方です。 ボクは、用もないのに、わざわざ用を作って電車に乗っている老人ですが、 まあ、どうせ乗るなら先頭車両の運転手が見える補助席とかに座りたがる ところに、その傾向の片りんを見る人もいるのかもしれませんが、けっして、鉄道マニアではありません。 だから、この方とか、宮脇俊三、古くは内田百閒とかの鉄道ばなしは、敬して遠ざけてきたのですが、実は、原武史が講談社のPR雑誌「本」に、多分、20年近く連載していらっしゃった「鉄道ひとつばなし」が、「本」の休刊にともなってオシマイになってしまったことや、その連載の原稿で単行本になっていなかったのを、「最終列車」という名前で出版されていたことは、薄々知っていました。 で、その「最終列車」が、なじみの古書店の棚に100円で鎮座していらっしゃったのを見つけて、思わず、ちょっと可哀そうにになって買ってしまったというわけです。決して、鉄道マニアだから買ったのではありません。 下に目次を貼っておきますが、60本を越えるエッセイが収められています。当たり前ですが、とりあえずみんな鉄道の話です。だから、まあ、そっち方面の方への案内の必要はありません。しかし、 村上春樹の長編小説「1Q84」(新潮社)には、御嶽に近い二俣尾(ふたまたお)という青梅線の無人駅が出てくる。その近くに戎野という元大学教授が、毛沢東思想を信奉し、コミューンをつくった深田保という元同僚の娘と一緒に住んでいる。山村工作隊を文学に取り込んだ作品といえなくもない。(「鉄路の空間政治学」JR青梅線と山村工作隊P108) と、まあ、こういうことが、ときどき書いてあったりして、 「おっと!」 と思うこともあるのです(笑)。まあ、そういうこともありますよというにすぎませんが、お暇ならいかがでしょうかね(笑)。 目次
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最終更新日
2024.07.29 13:48:55
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