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カテゴリ:読書案内「立花隆・松岡正剛」
立花隆「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そして ぼくの大量読書術・驚異の速読術」(文春文庫) まあ、何というか、いかにも「知の巨人」とかの看板で大人気だったころを思い出す題名ですが、立花隆も2021年、4月30日、80歳でなくなって3年たちました。
この人のブックレビューと、今年(2024年)の夏、8月12日、やっぱり80歳でなくなってしまった松岡正剛の千夜千冊には、思えば本当にお世話になりました。 で、本書ですが、立花隆が週刊文春に連載していた「私の読書日記」の1995年11月から2001年2月までの記事がメインです。 「ぼくはこんな本を読んできた」(文首文庫)の続編ですが「宇宙・人物・書物」という50ページを越える長い「序」で展開されている読書論、書籍論、それから、「『捨てる!技術』を一刀両断する」という、まあ、いわば蔵書論がこの本の読みどころです。 そういえば、「捨てる!技術」(宝島新書)って流行りましたね。結果的には社会はこっちに乗ったのですが、20年前の立花さん、真っ向勝負に出て著者まるごとアホ扱いです。ボクは、以来、立花派です。 本編の「読書日記」は、ご本人もおっしゃっていますが、所謂、私の読んだ本的なレビューではなくて、明らかに、当時の新刊の中から、多分、ビジネスマンに紹介する狙いで、選んで批評・批判している内容ですね。全編で、250冊あまりの本が出てきますが、1年間に50冊なんて、「知の巨人」だったわけですから大した数ではないはずです。 まあ、そういう話はともかく、本書の中から、懐かしいというか、 ウン、ソウ、ソウ!という紹介を一つ 字を書く人、字を読む人なら、白川靜の三部作「字統」(6602円)「字訓」(6602円)「字通」(21905円)のうち、少なくも「字統」の一冊くらいは座右に置いてほしいと思う。 白川静って、ごぞんじですか? ボクは、たとえば、この立花隆のような人の勧めに従って辞書を買ったり本を読んだりしましたが、今では、文庫本は古本屋さんで100円の籠に積まれ、脅威的内容の著作集は図書館の棚に、誰にも借りられることなく鎮座しているわけで、まあ、そういう時代になってきているわけです。 若い人たちにとっては立花隆も白川静も 「知らない!」ですむ人ですよね。 まあ、ボクが今日まで読んだ本について、1冊でもいいから「案内」しようと考えているのは、そういう、現状に対しての 「ちょっとまって!」 の気持ちからです。別に、文化勲章もノーベル賞のどうでもいいのです。ただ、白川静の漢字学の片りんにも気づかないまま、たとえば、高等学校で漢文とか教えるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんね。別に、気にすることはありません。ボクと同じ世代にも、そんな人はたくさんいましたからね(笑)。 まあ、今となっては、立花隆のこの本も、ここで紹介されている山盛りの本も古い本になってしまっているわけですが、なかなか読み応えのある本、見るだけでも唸る本がラインアップされていて、さすが「知の巨人」ですね。 古くて新しい「ホン」の世界 いかがですか(笑)?
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最終更新日
2024.10.01 00:17:30
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