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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
閆非・彭大魔「抓娃娃(じゅあわわ) ―後継者養成計画」シネリーブル神戸 中国で流行ったエンタメ映画、まあ、そういう興味に惹かれて見ました。後継者養成計画という、解説的副題がついてはいますが、「抓娃娃」という中国語の題名のままの邦題ですから、本来ならポカーンとなるところですが、見終えてよくわかりました。
ナルホド、ウケるはずだ! 帰ってきて、一応、調べて見ると、「抓」の中国音(ピンイン)はzhuā、意味は摘むから鍛えるまであって、「娃娃」の読みがwá・waで、意味は赤ちゃんのようです。だから「抓娃娃」の読みは「じゅあわわ」で意味は「赤ちゃんを鍛える」でした。 明治時代の終わりか、昭和の始めころを背景にした日本映画でもありそうな話です。 「金持ちの後継ぎとして、右も左もわからない子供のときから鍛える。」 なんか、森鴎外とかが浮かんできそうですが、違うのは、森家とかの「家」の保全ではなくて、貧乏人から成りあがった父親が苦労してようやく築いた、一代限りの「財産」の保全のために、子どもの時からだんだん金持ちになっていった暮らしを知っている兄はスポイルして、金持ちになってから生まれてきて、まだ、なんにも知らない幼児だった弟を貧乏人の子として、刻苦勉励の暮らしで躾ようという、まあ、金持ちにしかできない完全コントロール、見るも侘しいボロ家に始まって、生活すべてについて、少年の前では、親族、両親、偽の祖母まであつらえて、みなさんで雁首揃えて偽りの貧乏人を演じながら子育てをするという育児映画(笑)でした。 貧乏から努力で這い上がる人格の形成!(笑) まあ、そういう舞台をあつらえるということで、そこが、このコメディの肝というわけです。 こう書くと、なんだか、チョー、アホらしい話なのですが、まあ、実際にチョー、アホらしい話なわけですが、これがなかなか笑えた上に、とどのつまりは 「凧じゃなくて風になりたい」 という主題歌に乗って、両親のもとを去る主人公の少年の姿見ていてを、なんだかとても胸打たれてしまいました(笑)。 要するに、中国政府が続けてきた「一人っ子政策」が煽ったにちがいない、たぶん、歪んだ教育熱、80年代以降の資本主義化で生まれた富豪層に対する揶揄が笑いの背景にはあるのでしょうが、まあ、それはそれとして、子どもを育てた経験のある方なら思い当たるに違いない、 自由に大きくしたい、でも、どこか、凧のように糸をつけておきたい。 という感じの、多分、結構ありがちな親の気分のご都合主義を笑い飛ばしているところが爽快なのでした。拍手! 監督 イェン・フェイ(閆非) ポン・ダーモー(彭大魔) キャスト シェン・トン瀋騰(マー・チェンガン馬成鋼:父) マー・リー馬麗(チュン・ラン春蘭:母) シー・ポンユアン(史彭元) サリナー(萨日娜) シャオ・ボーチェン(肖帛辰) 2024年・133分・G・中国 原題「抓娃娃」「Successor」 2024・10・25・no137・シネリーブル神戸no276
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最終更新日
2024.10.28 12:31:26
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