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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
ファイト・ヘルマー「ゴンドラ」シネリーブル神戸
ここのところ、高校生の男の子同士とか、若い男女三人とかの作品を立て続けに見ていたので、 おっ、女の子二人の映画か、面白ろそうやん! というノリで見ました。ドイツの映画らしいということには気付いていましたが、監督がどんな人で、どこで撮ったのかというようなことは全く知らないで見て、驚きの連続でした。 舞台はドイツだとか思っていたら、まあ、ドイツの田舎との違いがわかるわけじゃないんですが、グルジアだか、コーカサスだかのド田舎だし、その上、この映画、いつまでたっても登場人物たちがしゃべらないんですね。 セリフがないんですよ!!(笑) 見たのはファイト・ヘルマーというドイツの監督の「ゴンドラ」でした。 見終えて、一番率直な感想は 「なんや、作りかけみたいやったなあ。」 でした。 理由はハッキリしていて、登場人物にセリフがないからですよね。 最初、なんだか偉そうにしている、ゴンドラ、要するにロープウェイの運転係というか、駅長というかのオッサンが乗りにやってくる車椅子のオッサンに邪険にしたり、どうも亭主が死んだらしいオバはんが新入りの乗車員の女の子に、やたらニラムだけで、愛想も何もない様子に 「なんでやねん?!」 だったのですが、結局、 最後まで誰もしゃべらない映画 なのでした。 言ってしまえば、みんな見る人任せなわけですからね、 「なんで?」の連発で、いつもと勝手が違ったのですが、一方で、やたら面白かったりしたわけです。 まず、ゴンドラからというか、ゴンドラをというかの風景がいいですね。 ゴンドラは山の下から上へではなくて、上から上へとしか思えない様子で、俗世を下に見ながら天空を渡るんです。下に谷あいの村があって、牛とかヒツジとかがいて、あと、ズーと山です。そこを渡っていくんです。 誰かが亡くなったんでしょうね。ゴンドラから棺桶の前と後ろがはみだしたまま運ぶのですが圧巻でした。 「えー、落としたらどうするん?!」棺桶が空を渡っていく様子が映って、で、それを見上げる村の人や子供やが下に見えて、帽子をとったり、中には手を振る子供もいたりして、なんともいえないというか、心に刻まれるというか、そういうシーンで始まるんです。 それから、天空を日に何度もわたり続けるのがお仕事のはずの二人の娘さんがゴンドラをおもちゃにしてというか遊び場にしてというか、まあ、いろいろやってくれるんですが、そのやることなすことの痛快さとか、毎朝乗ってくる二人の子供のイノセンスな仲良しぶりとか、牛や鶏を運ぶ村の人の生活ぶりとか、欲張りでエラそうな駅長のがんばって意地悪な表情とか、何故か映っている画面の中で搭乗するのはほんの数人なのに一日が終わると小銭がジャラジャラ出てくる料金鞄とか、みんないいですね。 先日、中国のド田舎の山の上の湖をワクワクして待ってすかされたんですが、こちらはヨーロッパのド田舎の天空を、実際に車椅子がゴンドラにぶら下がってが渡っていくのです。ボク的には、まあ、こっちに拍手!でしたね(笑)。 まあ、ストーリーがあるにはあるんですが、で、若いお二人の関係とか、とどのつまりの悪役駅長の天罰とか、それぞれ、 「そんなんせんでええやん!」 という気もしたのです。だって、明日もノンビリというか、平和にというか、天国暮らし、いや、天空渡りか、続けてほしいじゃないですか。 セリフもないんやから、ドラマもいらんで(笑)。 まあ、そういう勝手な気分でしたね。でも、拍手!ですよ、やっぱり(笑)。 監督・製作・脚本 ファイト・ヘルマー 製作 ツィアコ・アベサゼ ノシュレ・チュハイゼ 撮影 ゴガ・デブダリアニ 美術 バチョ・マハラゼ 編集 イオルダニス・カライサリディス モリッツ・ガイザー ニコロズ・グルア 音楽 マルコム・アリソン ソーレイ・ステファンスドッティル キャスト マチルデ・イルマン(イヴァ:新入り) ニニ・ソセリア(ニノ:多分、転職思案中) ズカ・パプアシビリ(駅長) ニアラ・チチナゼ(未亡人) バチャガン・パポビアン(車椅子の男) ルカ・ツェツクラゼ(少年) エレネ・シャバゼ(少女) 合唱ダレジャン・ゲペリザ 合唱ニノ・パチコリア 合唱ペリデ・カランディア 2023年・85分・ドイツ・ジョージア合作 原題「Gondola」 2024・11・03・no142・シネリーブル神戸no277
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最終更新日
2024.11.15 12:43:53
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