岸田奈美「傘のさし方がわからない」(小学館) 小学館からシリーズ(?)で出ている岸田奈美さんの3冊目です。ついでに「もうあかんわ日記」(ライツ社)も読みましたから、ボクとしては4冊目ですね。ちょっと、飽きてきた!ゴメン。
というのが正直な感想ですが、理由ははっきりしている気がします。困ったことに、売れっ子の「作家さん」の文章
になりつつあるんですよね。
要するに、商品としての文章といえばいいのでしょうか。
彼女の文章の持ち味は、ボクのようなボンヤリ人生では気づかない、まあ、ナイーブな感受性の持ち主である岸田さんだからこそ直面する「突然の危機」があって、そこで彼女が、「いかに開き直るか」の体験のスリルとサスペンスなのでしたが、身の回りから、ひょっとしたら面白いかもというエピソードを探し始めていらっしゃる、まあ、そういうニュアンスを、何となくなのですが感じてしまうのですね。着地点は、彼女らしい柔らかな感受性、おおらかさ、というのは変わらないのですが。
ネット上に記事を書きつづけるという難しさもあるのでしょうね。題名になっている「傘のさし方を忘れてしまったお母さんの話」なんて、相変わらず、だいじょうぶ!
と声をかけたくなる話なのですが、「作家」としての岸田さん、最初の正念場に差し掛かっていらっしゃるようですね。
まあ、しかし、新しい本が出れば、ボクは読みますね。ボクにとってはそういう方です、彼女は(笑)。
追記
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