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2006.06.27
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カテゴリ:読書
一番最近読んだ、垣根涼介著「ワイルド・ソウル」を。
作品の前半は、昭和30年代のブラジル奥地が舞台になります。
日本政府のブラジル移民として、成功を夢を見て新妻とその弟と3人ではるばる日本から海を渡って移住する衛藤。
しかしその生活は想像を超えるひどさ、農業は出来ず、仲間達衛藤の家族も皆簡単にその命を無くしてしまうのです。
現地の領事官に訴えに行こうにも旅費がなくまた行っても相手にもされず、なすすべもありません。
地をはうような生活から市場の仲買人として成功した衛藤ですが、再婚した妻と娘を失ったことがきっかけとなり・・・
移住地で一緒に苦労した仲間の遺児ケイ、松尾、砂金堀の仲間だった山本と、日本政府に宣戦布告をする。
戦後日本の棄民政策への復讐のためである。
それは、暗くじめじめとしめってどこまでも自分の行動を正当化しようとする自分の中の日本との決別も意味する。
しかしその内容はテロや殺人ではなく、そのあたりをあまり期待する読者は肩すかしを浴びる形になるかも?
外務省襲撃、元官僚達の誘拐など、警察との頭脳戦である。

この作品には、今も日本が抱える政府の問題点、日本人の意識、スピード感あふれるハードボイルドの世界、ロマンスと、エンターティメントの全てが、書かれている。
読み終わった後の爽快な気分も!
後半の主人公となるケイのキャラクター(外見は日本人ではあるが、良くも悪くもラテン的な魅力が)におう部分が大きいと思います。
ニュースキャスターとしてのぎりぎりの現状から貴子が再生でき、ケイと結ばれる最後も、悪くない。
☆知らないと言うことはそれ自体が悪なのだ・・・印象に残る言葉です。





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Last updated  2006.06.27 16:18:55
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