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カテゴリ:読書
残暑の疲れとネタ切れ?の為、数日手抜きブログが続いてしまいました。(でもなんとなくそれでも書いてしまうこの真面目さが、子供の頃にあったなら違った人生があったかも?夏休みの日記は嫌いでした。)
今日は、昨夜読み終わったばかりの猪瀬直樹著↑の紹介を。 この本の主人公は題名の通り、1899年生まれの川端康成と1900年生まれの大宅壮一である。 彼らは明治の文豪・夏目漱石・森鴎外が特別のエリートであったのと違い、雑誌の創生期・販売対策として読者の投稿に大きなページを割いた投稿雑誌をてこに文章を発表した新しい世代であった。 特に大宅壮一は、圧倒的な魅力を振りまきながら作中で大活躍するのです。 それに対して、川端康成は私達も知っているやせた小柄な身体、独特のぎょろっとした目で自分の気に入った対象を見つめるだけ(観察し続けるだけ)。 その容姿から(コンプレックスの固まり)結婚したい女給にも相手にされず、書く作品も評価されず、後の日本人として初めてノーベル文学賞を受賞するような面影は全くありません。 ふたりは上京し、時代は明治から大正へと移り変わっています。 ここに重要な脇役として菊池寛が登場するのです。 「真珠婦人」で一世を風靡し、「文藝春秋」を創刊するのです。 現在までつながる文壇と言われるものは、菊池寛を中心として出来ていた。 そして「昭和」へと突入、その才能を特別高く評価されていた芥川龍之介の自殺。 その他にも横光利一、今東光、志賀直哉、武者小路実篤などキラ星のごとき、私達の国語の教科書でおなじみの作家達の若き日々が書かれています。 さすがは「ミカドの象徴」を書いた猪瀬直樹(この作品で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞していますが)。 膨大な情報を盛り込みながらも、楽しく一気に読ませてしまう文章力です。 私も作家達の登場シーン、互いの付き合い方、すれ違いをドキドキしながらも、面白く読んでしまいました。 なお菊池寛に魅かれ、「こころの王国」も、書いたそうです。 今頃咲いた庭のつるなし朝顔。今朝の雨で濡れています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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