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カテゴリ:読書
昨夜読み終わった本の紹介を。
世間から少しだけはみ出してしまったような男=多田を主人公として、便利屋の仕事で大晦日に犬を預かった事からストーリーが始まります。 チワワのマリちゃんは、実は飼い主が借金から逃げるのにじゃまになって、多田に預けられたのです。 多田の高校時代の同級生=行天が登場し、バス停で行天にマリちゃんが抱かれることにより、多田にとってさんざんな一年が始まるのです。 行天はその名前の通り、かなり奇妙なキャラクターです。 行動、言葉の数々、多田との会話は軽すぎて?おかしい! 便利屋に依頼する人々も、様々な事情を抱えて生きています。 自分の本当の親の様子を調べてほしいと言う男の依頼から、多田が便利屋になった経緯が・・・・ 大学時代に知り合った妻のいる平凡な会社員だった多田が、その子供の死により妻との仲も上手くいかなくなり、ひとりだけで働く自由業の便利屋になった事が、読者にも解ってくるのですが、そこにはそれ程の驚きも、感動もありません。 多田は、行天の小指の傷も、過去の自分の責任であったとのこだわりを持っています。 最後に作者からのメッセージが書かれています。 幸福は再生する、と。 形を変え、さまざまな姿で、それを求めるひとたちのところへ何度でも、そっと訪れてくるのだ。 主人公の男ふたりは前向きに生きています。 読後感はけっして悪いものではありません。 ただこの作品が「直木賞」受賞作品というと??? 行天に振り回されっぱなしの多田、その様子などがテンポ良く書かれていますので楽しんで読む作品ではあるのです。 三浦しをん作品は初めてでした。今の若い読者向けなのでしょうか? 読みやすさで一気に読めてしまう、そんな本が読みたい時にはよいかと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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