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カテゴリ:読書
今日は最近読んだ本「命」のことを書きます。
いまは食欲の秋であると共に読書の秋でもありますものね。 家庭を持つ男性との恋愛により、未婚の母という選択をせざるを得なくなった作者・私。 同じ時期に、以前愛した男性、東由多加(トウキョウキッドブラザースというミュージカル劇団の作・演出家であり、私は16歳で入団後17歳から10年間、東と生活をともにしていた)の食道癌・それも末期であり、闘病生活が始まる。 東と共に病院に行き、診察室から出てきた東から「癌だった」と告げられらた時に、 わたしが出産を決意したのはこの日だったと思う。生と死がくっきりとした輪郭を持って迫ってきたとき、胎内の子と東のふたつの命を護らなければならないという使命感にも似た感情に激しく揺さぶられたのだ。東が癌にならなければ、わたしは堕胎していたかもしれない。・・・・わたしは胎児と癌というふたつの存在が、命という絆で結ばれたような不思議な感覚を持った。そして命の誕生と再生にでき得る限りの力を尽くし献身しようとこころを決したのだった。 それから始まる生まれた子供との3人の生活、私は不安定な精神状態を抱えたままである。 しかしそこには普通の家族とは違った形の絆があります。 彼女たちの生活の中には、よく使われる「頑張ろう」という言葉はありません。 精神が張りつめた中にも、幸福を感じる瞬間もあったのです。 その時々の私の感情をストレートに表現しています。 別れた子供の父親との確執、子供への無条件な愛おしさ、日々衰えていく東の死への覚悟。 命が尽きるその瞬間まで生きるだけだ。 一月末の明るく寒い日、東と丈陽(生まれた子供)の命の間で、そのどちらともに引っ張られ、千切れそうになりながら・・・・わたしは生きていた。 と、作者は閉めています。 「生まれてくる命」「死にいく命」、ふたつの命から、命の重みを感じました。 人は、哀しみの中に生きるものなのでしょうか? この作者の言うように、大切なものは失いかけたときに初めて、いかに失ってはならないものだったかを思い知らされるものなのでしょうか。。。。 「命4部作」ですから、「魂」「生」「声」と続けて読むつもりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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