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イギリスの文豪チャールズ・ディケンズ原作の「オリバー・ツイスト」をあのロマン・ポランスキーが監督した作品です。
19世紀のイギリス。 孤児のオリバーは救貧院を追い出され、次々と辛い体験をしながらロンドンへたどり着きます。 歩けなくなってしまったオリバーを助けたのは、スリ集団フェギン=ベン・キングスレーの元で働くドジャーでした。 やっと安らぎを得たオリバーですが、次々と皮肉な出来事が起きてくるのです。 この作品は原作に忠実に作られているそうですが(原作は未読です) 幸せな未来を求めるオリバーと、それを邪魔する悪い仲間達の関わっていく課程がメインなのでしょうか。 ストーリーに特に目新しさはなく感動もありません。 現在との時代背景があまりに違っているせいか、ディケンズの「クリスマス・キャロル」も同じかしら。。。。 ポランスキーが監督は当時のロンドン、貧民街の汚れきった大人達が常に争っている荒廃した様子をリアルに描いています。 19世紀のロンドンの匂いまで漂ってきそうな下層階級の人々の暮らし。 大通りから狭いとおりにはいるにつれて人が多くなり、高層ビルがあるわけでもないのにそこで暮らす人の家も暗くなってしまう。 ベン・キングスレーは「ガンジー」「シンドラーのリスト」とは全く違った姿で、フェギンになりきってしまっています。 インド系のイギリス人の彼ですが、サーの称号をもつ名優がこの哀れな汚い老人になりきり、当時の人そのものです。ポランスキー監督作品は「死と処女(おとめ)」以来10年ぶりの出演とか。 私はどうしても68年のミュージカル作品・キャロル・リード監督作が思い出されてしまいます。 あのマーク・レスター君、日本のCMにも出ましたね。 オリバー=マーク、ドジャー=ジャック・ワイルド。 ジャック・ワイルドは私の中では少年のままなのですが、その後も俳優を続けて今年3月に亡くなったそうなのです。マダマダ若かったのに。。。 ふたりが再度共演した「小さな恋のメロディ」はとても懐かしい・・・・ ビージーズの曲と共に、ジャックがふたりを逃がしてマークとトレシー・ハイドがトロッコをこいで去っていく映画のラストは大好きでした。 どちらの映画でもジャック・ワイルドは、主人公達と対比する逞しく生き抜く魅力的な役を演じていました。 寂しげななかで見せる、てれた笑顔が良かったですね。 貧救院という厳しい環境から、過酷な運命を生きるオリバーですが、人々の善意、それを感じることのできる賢さ・繊細さを持って生きることによって、ブラウンロー氏の家に引き取られるのです。 ブラウンローはオリバーの素直さ無垢さにほだされて、真心から彼を受け容れ世話をしてやるのです。 暗い色調の続く映画で、最後だけが明るく輝いて見えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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