‘作家：吉村　昭氏’

2006年08月28日

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カテゴリ：読書

図書館へ行ったら、入り口の書棚に、７月３１日に逝去された‘吉村　昭’特設コーナーが設けられていました。

そうそうと、いつも訪問させていただいている、8/3付の「カーク船長4761の日記」｛吉村　昭氏逝去の報｝を思い出しました。

私は、名前は知っていましたが、彼の本は未読でした。

何故かというと、彼の作品は、歴史物とか、戦争に関する記録物との観がしていて、なかなか手が届かなかったのです。

とりあえず、読みやすそうな短編集の２冊を借りてきました。

「私の好きな悪い癖」と「月下美人」です。

「私の好きな悪い癖」は、いろいろな雑誌に載せたエッセイ集でした。

私は、この作品を最初に読んだことで‘あとがき’にもあるように「エッセイは、小説を書く私の素顔である」と述べていますが‘吉村　昭’という作家を、とても好きになってしまいました。

とても読みやすく、私の胸に響き、今まで敬遠していたのは何だったんだろうと思うのです。

「月下美人」も猛暑の中で読んでも引き込まれる良い短編集です。

２冊読み終えて、又‘吉村　昭’特設コーナーに行きました。

「冷たい夏　熱い夏」を借りてきました。

これは、吉村昭の弟の「肺がん」の闘病録と彼の看護録です。

私も30年ほど前に、義父母の病気を見つめ、看護の経験があるので身につまされて読み進みました。

医療の発達により、癌の告知もなされるようになった現在ですが、癌＝死病と現在でも思われていて、癌患者を取り巻く家族の苦悩はいかばかりかと・・・。

　　

吉村昭氏（よしむら・あきら＝作家）

７月３１日午前２時３８分、すい臓がんのため東京都三鷹市の自宅で死去、７９歳。
東京都出身。葬儀・告別式は親族のみで行う。
妻は作家の津村節子さん。

学生時代に肺結核で死と向き合った経験から文学を志すようになる。
故丹羽文雄氏が主宰する「文学者」の同人となり、６６年に「星への旅」で太宰治賞を受賞。

「戦艦武蔵」などで記録文学の新境地を開き、７３年に菊池寛賞。
一方で、歴史小説を次々に手掛けた。
綿密な資料集めと、徹底した現地取材には定評があった。

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丹那トンネル建設を描いた「闇を裂く道」や黒部ダムの建設を描いた「高熱隋道」など、困難に挑戦する人々の力強い姿を描いた力作が、あるそうです。

丹那トンネルは、東海道本線の熱海駅～函南駅間のトンネルです。

丹那神社が熱海市のJR来宮駅側にあり、水力発電所跡の碑と丹那トンネル殉職者慰霊碑があるのです。

「闇を裂く道」これは、是非読みたい「記録小説」ですね。

歴史小説・記録小説に目が向きそうになっている、自分の発見がうれしいです。

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最終更新日 2006年08月28日 09時55分57秒
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