春の読書会は「秘花」瀬戸内寂聴著
今日,4月3日(木)春の「読書会」です。年に2回あります。盲人図書館の図書利用者(視覚障害者)と図書製作者(点訳者、音声訳者)そして、ガイドの人達による活動です。ちなみに、私は点訳卒業者です。まず、レポーターを決め、レポーターの主導に従って、とりおこなわれます。今日の本は、瀬戸内寂聴著「秘花」です。表紙カバーは、横尾忠則(よこおただのり)氏 参加者はちょっと少なくて、11名でした。11名の内、録音図書で読む方が4名、点字で読む方が1名でした。あとの6名は点訳者と音声訳者とガイドボランティアの方です。「秘花」はP246の本ですが、点字図書だと3冊から5冊になります。録音図書だと90分のカセットテープで、5~6本、デイジーという録音図書ではCD(DVD)で1枚です。いつもは図書館で借りるのですが、ベストセラーになっていて、借りようと思ったら150人待ちでした。それで、購入しました。今日出席した方は、皆さん購入したみたいでした。--- 内容(帯紙より) ---世阿弥 晩年の謎花と幽玄がからみあい、とけあった濃密な夜の舞があった。世阿弥 波乱の生涯八十五歳の命を注ぎこんだ畢生の大作!秘すれば花なり秘せずば花なるべからず「風姿花伝」「花鏡」などの芸論や数々の能作品を著した能の大成者・世阿弥。彼が佐渡へ流されたのは、七十二歳の時だった。それから八十過ぎまでの歳月の中、どのように逆境を受け止め、老いと向き合い、そして死を迎えたのかーー。命には終りあり能には果てあるべからず------------------------みんなの感想は・・・★まず、歴史上の人物なので、登場人物が気になります。*観世阿(世阿弥の父) ↓*世阿弥(幼名は鬼夜叉 藤若 通称は三郎 実名は元清) 椿(妻 出家後は寿椿 白拍子だった) 養子 元重(甥 弟四郎の子 元重音阿弥) 長男 元雅(34才で死去 ) 二男 元能(モトヨシ 30才で出家)*将軍足利義満(大樹 51才で死去) 12歳の美少年・世阿弥は足利義満の心を捉え、お稚児さんとして義満に侍り幽玄な能を完成した。 又、足利義満は、白拍子の椿をも愛し、のちに椿を世阿弥に下賜する。 *准后(ジュコウ)=前関白二条良基准后*金春禅竹(コンパル・ゼンチク) 世阿弥の娘(千浪)の夫。 佐渡に流された世阿弥の理解者*増阿弥*冴江(サエ)=佐渡で世阿弥の見廻りを世話した女*清晴(沙江の子 )★佐渡について佐渡は、平安の時代から、時の権力者から追われた人々が流された島でした。佐渡は能の島と呼ばれる佐渡には村々に能舞台があり、現在ある能舞台(独立型)は32棟です。佐渡に渡るには福井の小浜から船で20日間かかったが、現在はカーフェリーで2時間20分。★「秘花」ということ図書利用者(視覚障害者)の方は、テープで「ヒカ」とタイトルを最初に聞いた時、意味が分からなかったといっていました。製作者によっては、「秘花」の「ヒ」は、秘密の「ヒ」。「カ」は、花・フラワーの「カ」と特別に註釈つける時もあります。が、読み進んで理解してもらうという時もあります。タイトル「秘花」に最後までこだわった。世阿弥は佐渡で最後まで新しい能を模索し、「最後の花」を咲かせたのではないのか?「恋も秘すれば花」命には終りあり 能には果てあるべからず・・・と、思い思いの読後感が出てきます。11名(男4、女7)という少ない参加者で、どう進行していこうかと、思ったのですが心配は‘ご無用’でした。みんな‘本’が好きなんです。こうして、読書会を開くと、自分が好きな作家に偏りがちなんですが、初めて手に取る作品にめぐり合えるのがうれしいです。そして、異なった視点からの意見が聞けるなど、うれしく、おもしろいです。来年のレポーターを決め、散会しました。 私は2006年5月に佐渡の旅をしましたので、思い出しながら読書できました。クリックしてご覧下さい。