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カテゴリ:読書・コミック
来年に再アニメ化するということで「ベルばら」を完全版で読んだ。
ルイ15世の統治下~フランス革命の頃を描き、当時は「少女漫画で歴史物は受けない」と言われていたが、そのジンクスを打ち破りヒットを飛ばし、舞台化・アニメ化と今でも根強い人気を持つ作品ですが、全然読んでないってことで来年の再アニメ化の話を機に完全版を借りて読んでみた アントワネットの少女時代とオスカル誕生から物語はスタート。前半は貴族の華やかな生活を描くけどその中心はアントワネット。周囲の人々に振り回されて贅沢三昧に賭博はすると庶民のことを顧みないし、母からの忠告も無視。宮廷生活のシーンは華やかではあるもののロザリーが住む下町の描写を見ると貧富の差が激しい。 ロザリーの腹違いの姉・ジャンヌは栄達のためには引き取ってくれた貴婦人を謀殺したりと悪行三昧。ついには最大のスキャンダル「首飾り事件」を引き起こしてしまう。ジャンヌは首飾りを手に入れるためにアントワネットそっくりの娼婦を利用してローアン大司教を騙すが、(偽物なのに)アントワネットにメロメロになるローアンの描写がコミカル。原作版は結構コミカルなシーンがあって楽しませてくれる ジャンヌは首飾りを盗むことに成功し、暴露本を出してアントワネットを批判。18世紀でも暴露本があったのか・・最後は夫ともに死ぬ‥・って悪女にふさわしい最後。 アントワネットは夫がいるのにスウェーデン貴族のフェルゼンと出会い恋に落ちる。後で夫のルイ16世もアントワネットがフェルゼンと付き合ってることを知るが、妻が不倫(?)しててなんにも言えないところは優柔不断だよなァ ・「黒い騎士」の事件を通じてオスカルは庶民が苦しい生活を強いられてることを知り、近衛隊を辞めて平民や下級貴族がいる衛兵隊に転属を希望。衛兵隊では手荒い歓迎を受けながらも、兵士たちはオスカル以外の命令は受け付けないほど心酔するように。この経緯が熱い。 父から縁談を持ちかけられるオスカル。その話を聞いたアンドレはオスカル一筋なため他の男に彼女を取られるのでは?と恐れる余り貴族の称号を欲しがるというところも。一途やなぁ ジャルジェ将軍もアンドレを息子同然にかわいがってるため、貴族と平民の身分違いの結婚は国王の許可がないといけないと諭しながらもオスカルを支えてくれと言うしかないってところは切ない。 ジャルジェ将軍がオスカルの夫候補に推したのは近衛隊の部下であるジェローデル。貴公子然とした彼だが、オスカルの気持ちを察して身を引くところは潔い。 ・ 借金だらけのフランスをなんとかしようと大蔵大臣が貴族にも税金を払うように改革を行おうとするが特権を手放したくない貴族は猛反発。財政打破のために三部会を招集するのだが、三部会当日ルイ16世は人々に歓迎されてるのにアントワネットは歓迎されてない。そのギャップが…贅沢三昧して庶民を顧みなかったから? 三部会開催中に長男が病死。葬儀をするにしてもお金がないという状況に。銀食器を売り払って葬儀費用を出したがアントワネットは「これが贅沢の報いだというの」と嘆く。贅沢云々だけじゃなくルイ15世の時代から他国の戦争に介入し、その際にお金をたくさん使った関係で財政は逼迫していた…が正解だよなぁ ・病に罹り、先は長くないと悟ったのかオスカルは肖像画家の先生を呼んで自分の肖像画を描かせるが、古代ローマ時代風の甲冑をまとい馬に跨った絵で、池田理代子展で見たヅカ版名場面集の写真にあった鎧を着て馬に乗ったオスカルの写真を見たことがあるがこれがヒントなんだろうね。 ・出動前にオスカルとアンドレは身も心も結ばれて夫婦になるが、このときの表現はギリシャ風衣装を着た表現がされてるがかなりオーバー。当時はこういうのが受けたんだろうなぁ 直後にアンドレはオスカルを庇って戦死。アンドレの死にショックを受けたオスカルの嘆きは心が引き裂かれそう。オスカルもバスティーユ襲撃に参加したものの、バスティーユ陥落を見届けて戦死。「フランス、ばんざい…」と言って力尽きるところグッと来る。 アニメではオスカルの死で終わるが、原作はベルサイユ行進、ヴァレンヌ事件、ルイ16世の処刑を経てアントワネットが処刑されるところで終わる。ヴァレンヌ事件以降のアントワネットは幽閉先で子どもと引き離されたり、フェルゼンが勧める国外逃亡計画に誘われるもそれを断り、フランス王妃として誇り高き死を選ぶ。最初の軽はずみなところがあるところから一転王妃の威厳を持つようになったけど国民のことを最後まで顧みなかった報いがギロチン刑にかけられた結果? 激動の時代となったフランス革命が背景にあるってことで今でも読みつがれる名作ってのがわかる 完全版8巻は外伝「黒衣の伯爵夫人」を収録。アンドレ・ロザリーを伴い姉の嫁ぎ先へ向かったオスカル。吸血鬼騒ぎにロザリーが巻き込まれて…という内容 吸血鬼のモデルとされているエリザベート・バートリーの伝説をモチーフにしている オスカルの姪・ル・ルーが初登場するこの話、おマセで人を食ったところがあるが、アンドレがオスカルを好いてることを見抜いてたり、機転を効かせて事件解決と大人顔負けの活躍をするところはスカッとする。 【 ベルサイユのばら 全5巻セット (カラーケース入り) 】 【 新品 】 ベルばら ベルバラ マリー・アントワネット オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ アンドレ・グランディエ 池田理代子 集英社 コミック 漫画 セット 全巻 アニメ化 TMS DVD COLLECTION ベルサイユのばら MEMORIAL BOX [ 田島令子 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 21, 2024 04:50:06 PM
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